リューデスハイム
(ライン渓谷中流上部)
ラインの真珠と呼ばれるワイン醸造で有名な「キュート」という言葉が似合う町です。ライン川の右岸にあり、この地からコブレンツまでが世界遺産のライン渓谷中流上部の範囲となっています。ライン下りの船に乗る人が多い街です。
1000年以上の歴史をもつワイン
ドイツ有数のワインの名産地ラインガウの代表的な町。リースリングという高級白ワインや赤ワインのシュペートブルグンダーが特に有名です。ドイツで作られるワインの90%が白ワインといわれています。
南向きの斜面に降り注ぐ太陽の光を浴びた極上のブドウが作られています。ブドウ作り適した地形により、中世からワインの生産が盛んです。1399年にはワイン畑は既にこの町に存在したといわれています。
毎年夏には、「リューデスハイムのワイン祭り」が開かれています。毎年ワインの女王と王女たちの戴冠式が開かれ、選ばれたワイン女王たちは町とワインの紹介をして町を豊かにしています。
リューデスハイムの見どころ
ハイキング道
ハイキング道が2つあり、その一つ「Rheinsteig」はヴィースバーデンからラーンシュタインを経てボンへ至る道のりでリューデスハイム市街から修道院やニーダーヴァルト記念碑を通ります。
もう一つは、Riesling-Route」という道で、ワイン畑に囲まれた町リューデスハイムのライン川沿いを、ブドウ畑を眺めながらヴィースバーデンへ向かうコースも人気です。
つぐみ横丁
この町には「世界で一番陽気な小路」といわれる横丁があります。市街地の中心部に位置する長さ約150m、幅3mの石畳の通りです。道の両側には可愛らしい建物が並び、名物のワインを味わえるワインハウスやレストラン、土産物屋がずらりと並んでいます。
この道は山側のオーバー通りから古い醸造町を抜けライン河畔まで続き、15世紀ごろライン川水運の船主たちが商品の輸送に使うために建設されたとの説が残っています。18~19世紀になるとワイン農場の経営者たちがワインハウスや自家製ワインを販売するゲストハウスを作り、富裕階級の人が移り住み豊かな町となりました。現在は、世界中から観光客が訪れ狭い道にひしめくにぎやかなスポットとなっています。
おすすめのお店
・リューデスハイマー・シュロス
1729年に建てられた建物を改装した、高級ホテル兼レストラン。厳選された素材を活かしワインに合った料理を提供する人気のお店です。名物のワインが揃い、天気の良い日には中庭で食事を楽しむ人で賑やかに。ヴィンテージワインも味わえ、バンドの生演奏も行われています。
・ドロッセルフォーフ
1727年創業のリューデスハイム最古のワインハウス。季節によって様々な料理が提供されています。テラス席があり、ここでのんびりワインを楽しむ人が多いようです。名物のザウマーゲンも食べられます。
目で楽しむ独特のコーヒー「リューデスハイム・コーヒー」もおすすめです。地元のブランデー「アスバッハ・ウーアルト」を使用したコーヒーは、目の前で38度のリキュールに火をつけフランベするパフォーマンスが見物です。生クリームタップリですが、結構お酒がきついのでお酒に弱い方は要注意。
ニーダーヴァルト
町の西にあるニーダーヴァルトは屈指の絶景スポット。ゴンドラリフトで頂上に上ると、ライン川の水面から225mの高さにある展望台があり、ロマンティック・ラインと市街地まで続く葡萄畑の絶景が望め、天気の良い日には対岸のビンゲンまで見渡せます。
また、ここには高さ10.5mのゲルマニア女神像がありライン川を見下ろすように立っています。この像は1871年のドイツ統一を記念して1883年に建てられた記念として作られました。
ここから1kmほど森の中の道を散策し、古城ホテル&レストランのヤークトシュロス・ニーダーヴァルト城まで行くのもおすすめです。城の前から乗れるチェアリフトで、ゲーテが愛した赤ワインの街、アスマンスハウゼンへと行くこともできます。
ブレムザー城(ワイン博物館)
メインストリートのライン通りにある、11~12世紀に建てられたといわれるブレムザー城。周囲には城壁と堀があり、当時は城の真下をライン川が流れていたとみられています。
三十年戦争でフランス軍に主塔が破壊され、1668年に城主を務めたとされるブレムザー家が断絶し、1678年にマインツ大司教よりメッテルニヒ家に与えられましたが使われることなく荒廃してしまいました。
1811年にインゲルハイム伯が所有者となりロマンティックな姿に改装されました。市が買い取った後、1950年から内部はワイン博物館になっています。中世の古城のままの内部では、1000年にも及ぶワイン醸造の歴史が紹介されています。ワイン造り道具や貴重なワイングラス、ヴィンテージワインなどの展示は必見です。
メカニカル楽器博物館
木組みが美しい総面積400㎡の広い博物館。ドイツ初の古い自動演奏楽器コレクションを展示しています。18世紀のユニークな楽器を主に展示し、自動演奏を聴くこともできます。当時のままの美しい音色は聞く価値ありです。
また、当時のままに移築された職人工房も展示されています。音楽好きの方は英語ガイドと日本語のパンフが付いたガイドツアーがおすすめ。自動演奏楽器のノスタルジックな音色をぜひ楽しんでください。
まとめ
ワインを楽しみにやってくる人々で賑わう町。ワインハウスが軒を連ねる街では昼間からバンドの生演奏がいろんなところで行われています。絶え間なく流れる歌や踊りを見ながら散策するひとときは心も踊ります。ライブ音楽を楽しみながら、名産ワインと名物料理に舌鼓するひとときは素敵な思い出になること間違いなしです。
「リューデスハイム」のデータ
国名 | ドイツ |
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世界遺産名 | ライン渓谷中流上部 |
名称 | リューデスハイム |