アルルのローマ遺跡
アルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群

アルルのローマ遺跡はフランスのプロヴァンス地方アルルの街にあり、世界遺産「アルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群」の一部です。

アルルのローマ遺跡とは?

【世界遺産】アルルのローマ遺跡

アルルは紀元前123年頃にローマによって占領され、紀元前1世紀にはカエサルによって植民都市となりました。

それから発展を遂げ、古代ローマ時代には屈指の大都市となったのです。その際に建造されたのが、現在まで残る数々の建築物でした。

円形闘技場

【世界遺産】アルルのローマ遺跡

アウグストゥス治世下の1世紀末に建設されたアンフィテアトルム(闘技場)です。アルルに残るローマ遺跡では最大の規模を誇り、直径約136m、高さは21mあります。当時は3層構造で、約2万人を収容したといわれていますが、現在は最上層を除く2層のみが残されています。

中世初期には要塞として改築されましたが、19世紀に再び闘技場としての形を取り戻しました。今でも闘牛やイベントの際に使用されており、春には「復活闘牛祭」が行われています。

古代劇場

紀元前1世紀に造られた劇場で、1万人ほどが収容できたといいます。中世には採石場として使用されたりしたようですが、19世紀からは発掘作業が進められ、現在に残る形となっています。今でも映画祭などに活用されています。

17世紀には「アルルのヴィーナス像」が発掘され、ルーヴル美術館に収蔵されました。

地下回廊とフォルム

【世界遺産】アルルのローマ遺跡

photo credit: Pediment via photopin (license)

地下回廊は、この場所の斜面の高低差を埋めるために紀元前1世紀に造られました。

それを土台として、2世紀に造られたのがフォルム(古代ローマの公共広場)です。当時は石を敷き詰め、3400m四方の大きな広場でした。アーケードの回廊があり、それにつながる4つの柱廊があったそうです。そのうちの2本の柱が、今は遺構として残っています。

コンスタンティヌスの公衆浴場

コンスタンティヌス1世の治世下で造られた公衆浴場には、多くの風呂やサウナ、プールがあったそうです。現在は、カルダリウム(湯の部屋)、テピダリウム(ぬるま湯の部屋)、サウナ室だけが残されています。

ローマの城壁

ローマ時代の城壁は市内の2ヶ所にあります。1つは古代劇場と円形闘技場の近くにあるもので、一部は古代劇場を建造するときに取り壊されています。当時からの遺構です。もう1つは北側にあるもので、一部現存している部分がありますが、これは中世以降に造られたものです。

アリスカン

アリスカンはローマ時代からある墓地で、非キリスト教徒たちの墓。古代から中世までは多くの墓が造られましたが、ルネサンス期以降になると石棺が持ち去れて建材にされてしまいました。これは、石棺の彫刻が美しかったためだそうです。

小集会場

アルラタン博物館の中庭にある遺構です。2世紀頃の石畳や腰掛が現存しています。

 

ここが本当にフランスなのかと信じられなくなるくらいの、大規模なローマ遺跡のオンパレードです。ちなみに、ゴッホゆかりの土地でもあるので、合わせて楽しむことができますよ。

「アルルのローマ遺跡」のデータ

国名 フランス
世界遺産名アルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群
名称アルルのローマ遺跡

 

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