帝国議会博物館(旧市庁舎)
(レーゲンスブルクの旧市街とシュタットアムホーフ)
レーゲンスブルク中央駅から徒歩約20分にある、14世紀に建てられたレンガ造りの帝国議会博物館。帝国ホールや協議室でかつての帝国会議の雰囲気を感じることができます。
「レーゲンスブルクの旧市街とシュタットアムホーフ」として、2006年、ユネスコ世界遺産に登録されています。
旧市庁舎の1階には観光案内所があります。
旧市庁舎のあゆみ
10世紀から14世紀にかけて、全盛期を迎えたレーゲンスブルク。交易によって栄えた1245年には、帝国自由都市になり自治権を得ています。
15世紀はバイエルンの諸侯領域から独立し衰退期を迎えます。1663年~1806年「永続的帝国議会」の開催地となり、表舞台へと返り咲き、数百年もの間レーゲンスブルクが中心となりました。その後は、ドイツやヨーロッパ規模の政治活動が、レーゲンスブルクで行われました。
旧市庁舎は現在、帝国議会博物館となっています。部屋数は11室あり、控えの間や会議室、地下の拷問室や牢などを約1時間のガイドツアーで見学することができます。この旧市庁舎で最初に建てられたのが、1250年ごろに建設された塔がある中央部です。徐々に拡張していき18世紀に現在のような建物になりました。
旧市庁舎の見どころ
帝国ホール
1360年ごろに建てられた建物の入口の装飾は美しく見応えがあります。
中には帝国ホールがあります。舞踏会や祝祭ホールとして利用していました。といっても小さく豪華さがなく、天井の真ん中には一本の梁があり、その中央にセント・ペーターの小さな像が装飾されています。シックに纏められていますが、歴史と伝統、重厚感があり、中世にタイムスリップしたかのようです。
かつて中央の天蓋がある場所には皇帝、後ろの赤布張りのベンチは選帝候、手前の緑の椅子には諸侯が座り、中央のベンチは貴族や高位聖職者が座っていました。
地下の拷問室と廊
地下牢や拷問室はかなりリアルです。他のドイツの施設と比べても、暗くじめじめとした場所でここまでの迫力は他にないと思われるほど。当時実際に使われていた拷問器具は当時のまま保存され、身の毛のよだつような恐ろしい器具ばかりですが、実際に使用されることは少なかったようです。
その他
ツアーガイドの最後には塩を計量した、当時のままの天秤も見ることができます。軽いティッシュを載せただけでも針が動くという正確さには驚かされます。
ツアーでは日本語のガイドマップがもらえます。16世紀オリジナルの壁や16世紀製のカーペット、大砲なども見ることができます。ゆっくりと中世の趣を感じながら見学したいスポットです。
旧市庁舎の隣には新市庁舎があります。この市庁舎が建てられる頃は、また低迷期にありシンプルな造りとなっています。壁にはだまし絵が描かれています。
まとめ
街の中を歩くと古代ローマ時代の市門の遺跡など昔を偲ぶ場所が残っています。ドナウ川は、古代ローマ帝国とゲルマニアとの国境にあたる、レーゲンスブルクの町は古代ローマの要塞が起源となっています。
狭く曲がりくねった石畳の道や戦災をあまり受けなかったために中世の雰囲気が残っています。大聖堂の周りを取り囲むように建つレンガ色の建物、広場などからは、かつてのままの趣を感じられます。あまり観光化されていないのも魅力的な穴場のスポットです。
「帝国議会博物館(旧市庁舎)」のデータ
国名 | ドイツ |
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世界遺産名 | レーゲンスブルクの旧市街とシュタットアムホーフ |
名称 | 帝国議会博物館(旧市庁舎) |