ポルタ・ニグラ(黒門)
(トリーアのローマ遺跡群、聖ペテロ大聖堂及び聖母マリア教会)
ドイツの街トリーアを取り囲む市壁の北の入口にあたる、2世紀末に建設された巨大な城門。かつて要塞をかねた市門で、保存状態がよく古代の様相が色濃く残り観光客に人気のフォトスポットです。
古代から中世までの優れた建造物が残されていることなどが評価され、聖ペテロ大聖堂(トリーア大聖堂)、聖母マリア教会などと共に、1986年ドイツの世界遺産に登録されました(トリーアのローマ遺跡群、聖ペテロ大聖堂及び聖母マリア教会)。
トリーアを象徴する黒い門「ポルタ・ニグラ」
砂岩のブロックを交互に積み上げて造られた、高さ約30m、幅約36m、奥行き22mの門です。西暦180年に市壁と共に作られましたが、現在残るのはこの門のみ。
門は二重構造で、最大6tにも及ぶブロック同士は漆喰を使わず鉄の鎹で固定されています。これだけの造りですが優れた城壁建造技術で、強固な難攻不落の門とされていました。
2つのアーチを持つ門の上には二層の柱廊があり、それを挟むように2つの棟が建てられています。両脇にある塔は、前面が半円形で丸みを帯びた長方形となっています。アーチ型の窓が144も造られています。
門が造られたころは大きな切石が流行していました。中世になるとその切石が長い年月の経過によって、表面が黒く変色してしまったことから黒門と呼ばれるようになりました。
実は1035年にこの門には、聖シメオン教会という二層の教会が造られました。1805年にトリーアを占拠したナポレオンがローマ時代以外の建造物の撤去を命じたため、教会部分が取り壊されましたが、現在も東側にその時作られたロマネスク様式の後陣が残されています。
ポルタ・ニグラのまとめ
この門の塔の上にはテラスがあり、目が回るような螺旋階段を昇ってテラスに上がるとモーゼル川と旧市街地の美しい眺望が広がります。
ローマ時代に築かれた城門の中では最大級と呼ばれる門を訪れて、歴史ロマンに触れてみてはいかがでしょう?
「ポルタ・ニグラ(黒門)」のデータ
国名 | ドイツ |
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世界遺産名 | トリーアのローマ遺跡群、聖ペテロ大聖堂及び聖母マリア教会 |
名称 | ポルタ・ニグラ(黒門) |