プファルツ城
(ライン渓谷中流上部)
1326年に通行税を徴収する関所として、右岸にあるカウプ街のライン川の中州に建てられた真っ白な古城。現在は、資料館となり見学可能です。中洲までは渡し舟に乗って行くので、ちょっとした船旅も楽しめます。
プファルツ城とは
平らな岩島に1326年にルートヴィヒ4世によって築かれた、軍艦を模して造られたお城です。五角形の船の形をしているのは、激流化した水の流れによる損傷や流木などで城壁が崩されるのを防ぐためといわれています。
はじめに中核の五角形で6層の大塔が建設され1327年に完成。跡を継いだ甥のルドルフ2世により、1338から1342年に塔を囲む城壁が増設されました。この頃から「城」と呼ばれるようになっています。1607年には右端に稜保とアーケードの内部も造られています。
レンガと漆喰で造られた白い城壁の高さは12mあり、天然スレートで葺いた黒い屋根とのコラボレーションも見どころのひとつです。城壁の上には矢狭間や石落としを供えた木造の防御施設も整っています。
城は1714年にバロック様式に改築され、現在のような姿になりました。税徴収のために作られた城なので、戦争などの被害にあうこともなかったようです。
1866年の普墺戦争後は徴税の必要がなくなり、1960年代まではライン川航行船のための信号塔として利用されました。
プファルツ城の内部
城壁の内側は中庭を囲むように建てられています。敷石の上に造られた暖炉、地下牢への入口、落し格子戸など興味深い施設を整えた施設です。投石用のカタバルトや税関吏の見張場と居留する立派な部屋も見応え有です。
牢も見もので深さ9mの井戸の水上にくまれたいかだの上に、税金が払えなかった商人たちが網や横木を使って降ろされ収監された様子も見られます。所長の住居も公開され、台所、居間、寝室があり、広く造られているのが印象的です。
外観もかなり目立つ存在ですが、内部はかなり入り組んでいます。石造りの螺旋状の狭くて急な階段、次に木製の階段、最後は梯子で昇るように造られ、敵に襲われることも想定していたように感じられます。中は粘土とレンガで、外は藁と粘土で作られたパン焼き用のスレートで作られた釜も魅力的です。
軍艦の形をした可愛らしお城も、中の展示も興味深いものがあります。
まとめ
少し派手な色が施されたプファルツ城と対照的な丘の上に聳える古色蒼然のグーテンフェルス城をセットで見るのもおすすめです。かつてプファルツ城は税収のために、グーテンフェルス城は軍事的な役割を果たしていたようです。
内部見学には日本語版カードが貸し出されています。それを見ながら戦争経験のないお城を巡ってみてはいかがでしょう。
「プファルツ城」のデータ
国名 | ドイツ |
---|---|
世界遺産名 | ライン渓谷中流上部 |
名称 | プファルツ城 |