ホリルードハウス宮殿
(エディンバラの旧市街と新市街)
スコットランドの首都エディンバラにあるエディンバラ城から約1マイル続く通り「ロイヤル・マイル」の東の果てに建つのがホリルードハウス宮殿です。現在も現役のスコットランドの英国王室宮殿でエリザベス2世の夏季の保養地などで使われ、英国王室が使わない日は一般に公開されています。現役の宮殿を見る機会はそう多くないので見る価値ありです。
エディンバラ城が男性的な景観といわれるのに対して、ホリルードハウス宮殿は女性的な印象を受けます。宮殿の北には礼拝堂、南には国王の居室、ギャラリー、大ホールなど見どころも豊富です。また、礼拝堂の北西塔にあるメアリー1世が住んだ部屋は必見です。
ホリルードハウス宮殿は1128年にデイヴィッド1世が寺院(現在は廃墟)を建てたことがはじまりで、1501年にジェームズ4世がバロック様式宮殿に改築しました。戦争による崩壊、再建が繰り返され、現在の建物は1671年に国王チャールズ2世の命を受けた建築家ウィリアム・ ブルースにより建てられたものです。また、宮殿の管理者は1646年にチャールズ1世が初代ハミルトン公(ジェームズ・ハミルトン)に依頼し、現在もその子孫がこの宮殿を管理しています。
この宮殿はスコットランド女王メアリーの波乱万丈の人生のエピソードが残る場所としても知られています。
ホリルードハウス宮殿 庭園
ホリルードハウス宮殿には素敵な庭園がいくつかあり、中には王室のガーデンパーティーが開かれる庭園も見ることができます。木々や春には花々が咲き乱れ、芝生がとても美しく広がり優美な空間です。噴水や彫刻も点在しているので散策も楽しめます。
ホリルードハウス宮殿 外観
ホリルードハウス宮殿のエントランスは荘厳な雰囲気で、4本の太い柱の間にある1603年以前のスコットランド王家の紋章が印象的です。上部には王冠型の時計、入口の街灯も現役に使われている宮殿の雰囲気を醸し出しています。他の宮殿と比べるとかなりシンプルですが厳かな雰囲気には圧倒されます。
ホリルードハウス宮殿 内部
豪華な装飾と調度品で飾られた内部は撮影不可となっています。エリザベス女王が食事をするダイニングルームや勲章を授与する部屋、実際に公務で使われる部屋などを見学できます。ダイニングルームには豪華な食器がセッティングされていたりと、内部はかなり見応えがあります。
89人の歴代スコットランド王の肖像画が飾られたグレート・ギャラリーは壮観な雰囲気です。メアリーの部屋がある北西の塔は、2度目の夫ダーンリ卿が嫉妬に狂った挙句メアリーの目の前で秘書のリッチオを刺殺した悲しい事件が起こった場所です。
ホリルード修道院
宮殿に隣接するかつての王が作った石造りの修道院も見学できます。現在は廃墟となっていますが、デイヴィッド2世、ジェイムズ2世など歴代スコットランドの王が眠る由緒正しい修道院です。
彫刻やアーチなども残っており郷愁をそそる美しさに見とれてしまいます。現役の宮殿とは対照的で苔が生えた廃墟の美しさを見ることができます。
クイーンズ・ギャラリー
クイーンズ・ギャラリーは2002年に敷地内にあった教会を改築し、英国王室のコレクションを展示したギャラリーです。常設展示はなく、膨大な数コレクションよりテーマを決めての展示が行われています。歴史的な価値のある作品を観賞できることで多くの人が集まっています。
まとめ
ホリルードハウス宮殿の入場料は2015年10月現在、11.60ポンド(2,124円)と高めですが、これには詳しい解説の日本語オーディオガイドも含まれています。展示品やスコットランドの歴史、建築の工法とデザイン、スコットランドとイングランドの王室関係、メアリー・王女の話まで興味深い解説がされています。託児所も完備されているので、小さなお子さん連れでも安心です。
「ホリルードハウス宮殿」のデータ
国名 | イギリス |
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世界遺産名 | エディンバラの旧市街と新市街 |
名称 | ホリルードハウス宮殿 |