世界遺産オンラインガイド アメリカ イエローストーン国立公園 ノリス・ガイザー・ベイスン

ノリス・ガイザー・ベイスン
（イエローストーン国立公園）

マディソンから少し北へ上がるとノリス地区があります。ここはイエローストーンの中でも地熱現象が最も活発と言われる場所で、近年新しく活動が始まった地域です。あちこちから立ち上る蒸気（スチーム）や間欠泉（ガイザー）、熱水泉（プール、スプリング）が見られ、立ち枯れた木々も見られます。

ブラック・グロウラー・スチーム・ヴェント

photo credit: Black Growler Steam Vent (center left – steaming) & Guardian Geyser (center right – steaming) & Ledge Geyser (gray vents near bottom) (10 August 2011) 1 via photopin (license)

地熱の水蒸気が噴き出すこのヴェントは最も熱く、約138度の蒸気が観測されています。一般に丘の上や斜面から噴き出すヴェントは地下水などの水が供給されないため温度が高くなると言われています。

スチームボート・ガイザー

photo credit: Steamboat Geyser post-eruption (by 1 week) steam plume (6 August 2013) 85 via photopin (license)

通常10メートルほどの小さな噴出しか見られないこの間欠泉は、時折巨大な噴出を見せます。それは100メートルを超える規模の大噴出で世界最大とも言われます。しかし予測は不可能で、なかなか見ることはできません。最近では2014年9月、2013年7月に大規模な噴出を見せています。

シスターン・スプリング

photo credit: Cistern Spring (drained from end-July 2013 Steamboat Geyser eruption) (6 August 2013) 23 via photopin (license)

この熱水泉は普段はきれいな青い水をいっぱいに湛えていますが、地下でスチームボート・ガイザーと繋がっており、巨大噴出が起こると、この熱水泉の水はなくなってしまいます。

イキヌス・ガイザー

photo credit: Echinus Geyser via photopin (license)

ノリス・ガイザー・ベイスンでは予測のしやすいガイザーです。噴出する前はプールに水が溜まり、そして表面が沸騰しだすと突如噴出が始まり、18メートルほど水を吹きあげます。また酸性が強いガイザーとしても知られており、pHが3.3から3.6ありお酢のような間欠泉です。

新しい地熱地帯ということで学者たちが特に注目している地域です。まさに地球が生きていることを実感できる場所でもありますので、ぜひ立ち寄ってみたいものです。