世界遺産オンラインガイド カンボジア アンコールの遺跡群 アンコール・トム

アンコール・トム
（アンコールの遺跡群）

アンコール・トムはカンボジア北西部にある「アンコール遺跡群」のひとつで、世界遺産に登録されました。アンコール・ワットの北にある城砦都市遺跡です。

アンコール・トムとは？

photo credit: entering angkor thom via photopin (license)

アンコール・トムは12世紀後半にジャヤーヴァルマン7世により建築された城砦都市です。一辺が3kmの堀と、高さ8mの城壁に囲まれています。5つの城門があり、それぞれの城門に塔の形式を見ることができます。そして、その四面には観世音菩薩が彫られており、実に凝った装飾が施されています。

アンコール・トムを形成する建築物

クメールの微笑み　photo credit: Face towers, Bayon via photopin (license)

アンコール・トムは城砦都市の遺跡であるため、様々な建築が点在しています。

バイヨン

photo credit: Welcome to Bayon via photopin (license)

代表的なものは中央部に位置する「バイヨン」です。最初は大乗仏教の寺院でしたが、後にヒンドゥー教に改めらたため、混合寺院の様相を呈しています。塔の四面に彫られた人面像は「クメールの微笑み」と呼ばれ、大きな見どころです。

象のテラス、ライ王のテラス

photo credit: The Elephant Terrace via photopin (license)

photo credit: Terrace of the Leper King, Cambodia via photopin (license)

「象のテラス」は閲兵式の際に用いられ、象の彫刻が彫られています。また、「ライ王のテラス」は15世紀に発見された死神ヤマの像がその名の由来となりました。像が変色し苔むしていく様に、人々はハンセン病を連想したようです。

ピミアナカス

photo credit: Phimeanakas via photopin (license)

「ピミアナカス」は3層のピラミッド構造となっています。10世紀末に建造され、その後スーリヤヴァルマン2世の時代にこのような形のヒンドゥー教寺院として再建されました。

他にも、12もの塔が連なる「プラサット・スゥル・プラット」、「クリアン」、「プレア・ピトゥ」、「プリア・パリライ」など多くの建築物が残されています。中にはまだ詳細が判明していないものもあり、今後の調査が待たれます。

「クメールの微笑み」は高さ2mに達するものもありますが、表情が少しずつ違う印象を受けるらしいですよ。見比べてみたいものです。