エル・グレコ美術館



エル・グレコ美術館は20世紀初頭に、エル・グレコの散り散りになっていた作品を集めることを目的として造られた美術館。かつては「グレコの家」と呼ばれ、彼が住んできたユダヤ人地区の家の一つが改築されて造られています。内部には20以上もの部屋があり、アトリエ、書斎、寝室、台所が再現されています。また、作品としては、「トレドの景観と地図」をはじめ、晩年に描かれた「十二使徒」の連作や「聖終ペドロの涙」などの名画を観賞できます。また、ルイス・トリスタン、ムリージョ、バルデス・レアルなどの作品も展示されています。

エル・グレコ美術館の成り立ち

1906年にベガ・インクラン伯爵が、エル・グレコが住んでいたとされる住居付近の14世紀の中世家屋の廃墟を数件買い取り修復し、16~17世紀の調度品を飾って1912に美術館としてオープンしました。敷地内には2つの建物があり、中庭のある16世紀の家と19世紀初頭に拡張された建物が庭に面しています。グレコがそこに住んだかどうかを重視せず、中世の家屋の再現とグレコが生活していた様子を再現したのです。ここでは16世紀のルネサンス様式を見ることができ、陶器なども飾ってあり見ていて楽しい雰囲気にしてくれます。現在はスペイン文化省直営で、国営美術館となっています。

建物

エル・グレコ美術館は、彼が生きた時代の家を忠実に復元しており、そのころのスペインの歴史を見るうえでも重要な美術館です。平屋根を持つ中央の広間を囲む回廊は、イオニア式柱頭を冠した石柱で支えられています。美術館に続く玄関は2ヶ所あり、いずれもルネサンス様式で石造り、煉瓦造り、粗石積みとなっています。

部屋の中には彼の暮らしていた16~17世紀の家具や調度品なども置かれています。書斎やアトリエには古びた暖炉や使いこまれた椅子が置かれ、キッチンは当時のトレドの陶磁器なども飾られ、特に魅力的です。家の下には地下洞窟もあり、ユダヤ人地区の名残だとか。地下室にはワインセラーもありました。古い塀に囲まれた広い庭も美しく太陽の光が心地よい素敵なパティオもあります。

2011年3月にリニューアルされ、建物全体に古い部分を上手に見せながらスタイリッシュでおしゃれな空間にリフォームされています。

絵画

グレコ作品は2階建ての部屋の至る所に展示され、 晩年に書かれた「十二使徒」の連作も含め23作品があります。なかでも「トレドの景観と地図」は最も優れた作品で、17世紀初期のトレドの詳細な地図と景観は現在のトレドとあまり変わっていないことを示しています。

晩年に描かれた「十二使徒」の連作、「聖ペテロの涙」なども見応えがあります。特に「十二使徒」は13点の連作が展示され、この美術館内で最高品質。グレコから影響を受けたスルバランの「聖ペテロの涙」も展示されおり、グレコの「聖ペテロの涙」と共に楽しめます。また、ムリーリョやスルバランなどの他の画家の作品も見ものです。

エル・グレコとは?

エル・グレコ(1541~1614)は16世紀から17世紀にかけてのスペイン黄金期に活躍した画家で、ベラスケス(1599~1660)、ゴヤ(1735~1828)とともにスペイン三大画家の一人に数えられいます。実は、エル・グレコという名の人物は存在しません。エル=スペインの男性定冠詞に、グレコ=イタリア語でギリシヤを意味する言葉でエル・グレコと呼ばれていました。エル・グレコとはニックネームのようなものです。エル・グレコの本名は「ドメニコス・テオトコプーロス」で、ギリシヤのクレタ島で生まれたギリシヤ人画家です。

1541年にクレタ島の都カンディア(現:イラクリオン)に生まれ、26歳の時にヴェネツィアに渡ったといわれています。イタリアで10年間活動し、35歳でスペインに向かい後半生をトレドで過ごしました。

地中海北岸諸国を巡っての人生で、ギリシヤ、イタリア、スペインの政治・宗教・文化を投影しつつ芸術に生かされています。古都トレドに移り住んでから、カトリック信仰の偉大なる宗教画家として大成しました。

スペインでの初仕事は、トレド大聖堂からで、「聖衣剥奪」を描きました。1607~1613年には彼の代表作はサンタ・クルス美術館所蔵の高さ3mを超える大きさの「無原罪の御宿り」も描かれました。1614年に73歳で人生を終えるまで、絵を描き続けたといわれています。

しかし彼の死後スペイン王国のフェリペ2世により、「よく描けてはいても祈る気をそぐ」と感嘆したとの言い伝えもあり、彼の死後は忘れ去られていました。

しかしながら近年エル・グレコの作品をバルセロナのモデニスモの画家たちが注目し再評価する人が多くなりました。彼の絵画はボロックノオーヴァーや今日のアニメに通じるものがあり現代の人々に感動をもたらしているといわれています。

まとめ

土曜や日曜日の午後は無料になる日があり、有料ですが日本語音声ガイドも用意されています。グレコファンの方やスペインアートに興味がある方はもちろん、トレドの人々の16世紀から17世紀の生活を見たい方にも必見のスポットです。グレコの世界を堪能したい方は、まずサンタ・クルス美術館を見学してから向かわれるとより深くグレコの世界を理解できます。

スペインの世界遺産 古都トレド

 

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