サン・ファン・デ・ロス ・レイエス教会
古都トレド

スペインの「古都トレド」にあるサン・ファン・デ・ロス ・レイエス教会はイサベル女王とフェルナンド2世が1476年に「トロの戦い」でポルトガルに勝利したことを記念して建てさせた教会。

当初の計画では両王はここに自分達の墓所をつくる予定でしたが、レコンキスタ完了の地グラナダに埋葬されました。教会内はアラベスク模様の柱や八角天井の筋状の模様などアラブ調の装飾が印象的。手のこんだ透かし飾りが建物の屋根や内庭に面したアーチ等も魅力的です。

美しい回廊

ゴシック様式とムデハル様式が融合したスペイン独自のイサベル様式の建築で、修道院の回廊は1階がゴシック様式、2階がプラテレスコ、3階がムデハル様式と様式は異なりますが、うまく調和した素敵な空間となっています。

1階はアーチ状の回廊となり、天井のアーチの曲線と窓のアーチ部分のレースのような透かし彫りが回廊を優雅に彩っています。また柱にはたくさんの彫刻が施され壮観。優しい顔をしたマリア様の像など、全体的に丸みを帯びた優しい線の聖像群は和やかな雰囲気を醸し出しています。

陽の光が照らす白く美しい回廊は日影が涼しく心地よい場所です。パティオにはオレンジの木などが植えられ、緑が清々しく回廊の柱の綺麗な彫刻をより美しく引き立てます。また、バルコニーや建物の柱には怪獣の彫刻がたくさん。まるでガーゴイルのように教会を守っているようです。

2階回廊はすっきりとした雰囲気が漂いスペイン独特の建築様式のプラテレスコ様式が見られます。天井は、木の細工が施され、ムデハル様式の格天井で、複雑に入り組んだ模様と色彩豊かで、カスティーリャとレオン王国の紋章が施されています。長く続く回廊の天井を埋め尽くす姿はとても美しい光景です。

礼拝堂

礼拝堂は白を基調としたイサベル様式で、祭壇には立派な祭壇屏が掛けられ、その両側の柱や壁一面に施された彫刻はとても繊細で素晴らしいものがあります。祭壇屏はカテドラルと同様イエス・キリストの生涯が表されているといわれています。

また、ドーム型の大理石の天井は壮麗で、白い礼拝堂をカラフルに彩るステンドグラスも素敵です。アーチ状の天井が高く造られ、外からの光がとても心地よく荘厳な雰囲気を感じますが開放的な空間となっています。

リレーフも数多く飾られ、色鮮やかなマリア様の像や復活を遂げたキリストの像など建物以外にも見どころがたくさんあります。数少ないですがフレスコ画も飾られています。

 

回廊の美しさは言葉に表せないほどの魅力を感じます。また教会全体に施された彫刻も繊細でとても魅力的。様々な建築様式を一度に見られる建築物の一つです。とても小さな教会ですが、スペインならではの融合した建築様式や細かな細工、彫刻など見どころが凝縮されたスポットです。

「サン・ファン・デ・ロス ・レイエス教会」のデータ

国名 スペイン
世界遺産名古都トレド
名称サン・ファン・デ・ロス ・レイエス教会

 

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