コルドバのメスキータ
コルドバ歴史地区

コルドバの旧市街は、スペイン南西部、アンダルシア地方にあるイスラム教とキリスト教の文化が共存する街です。

そのコルドバの旧市街の中心に建つ、最も“共存”が象徴されている建物がメスキータです。

【世界遺産】メスキータ(聖マリア大聖堂) | コルドバ歴史地区

photo credit: Polilobulados via photopin (license)

そもそも、メスキータが建てられた場所には、キリスト教の聖堂がありました。その後、イスラムの支配になりますが、イスラムの人々がキリスト教徒に寛大だったこともあり、元の聖堂を破壊せず改築し、モスクとして使用しました。しかし、人口増加によって拡張工事が必要となり、785年にアブド・アッラフマーン1世の命により新たに建設が始められました。その後、コルドバの発展に伴い数回の改築、改修が重ねられ、ようやく987年に完成しました。一度に2万5000人もの信者を収容でき、イスラム教発祥の地メッカにあるモスクをも上回る世界最大規模のモスクとなりました。また、1000本を超える円柱が立ち並ぶ内部は「円柱の森」と呼ばれ、イスラム文化の栄華を象徴しています。

完成から250年後、レコンキスタによってコルドバのイスラム支配に終焉が訪れると、メスキータは再びキリスト教の聖堂に転用されました。その時、かつてのイスラムの人々が、キリスト教の大聖堂に敬意を払ったように、今度はキリスト教徒たちがモスクに敬意を表しました。

ところが、1523年メスキータを壊し大聖堂を建立する計画が持ち上がります。コルドバ市民は猛反対しますが、カルロス1世は改装工事の許可を与えます。この改装工事によって、柱の数は856本まで減少。改装の許可を与えたカルロス1世は、出来上がった聖堂を見て「どこにでもあるような建物のために、この世で唯一のものを壊してしまった」と自らが下した決断を後悔するような発言をしたと伝えられています。以来、メスキータの改装は行われていません。

現在、メスキータは、イスラム教徒が造った円柱の森、ミフラーブ、キリスト教徒が建造したマヨール礼拝堂はもちろんのこと、モスクのミナレットを改造した鐘楼など、イスラム教とキリスト教の文化が共存する建築物として人々を魅了し続けています。

ギャラリー

「コルドバのメスキータ」のデータ

   
国名 スペイン
世界遺産名コルドバ歴史地区
名称コルドバのメスキータ

 

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