ラマー・バレー
(イエローストーン国立公園)
イエローストーン国立公園の中央北部から北東のエントランスの間、ラマー川沿いにラマー・バレーがあり、草原が広がっています。
野生動物と遭遇できるラマー・バレー
地質的な見どころはありませんが、イエローストーンに棲む動物たちの目撃数が多いと言われている場所です。特によく見られるのはアメリカバイソンとエルク、またプロングホーンやコヨーテ、オオカミ、ブラックベアなどもまれに見られます。また早朝が見られる可能性も高いようです。
破壊された生態系
かつて入植時代、牧場を守るため、危険動物とされたオオカミが乱獲されイエローストーンから姿を消してしまいました。食物連鎖の頂点にいたオオカミがいなくなったことで、エルクなどの草食動物が繁殖、草木を食べつくし、またコヨーテの数も増え、コヨーテの餌となる小動物の数も激減、イエローストーンの生態系はすっかり壊されてしまいました。
そのため1990年代、世界初の試みとして、カナダから連れてきたハイイロオオカミをイエローストーンに離し、生態系を元に戻す取り組みが行われました。今ではオオカミの数も増え、生態系も再生されつつあります。
園内での餌やり禁止へ
もう一つ、この公園で問題となったのがクマに餌付けを行ったこと。人間から餌をもらうことを覚えたクマは人間に近づき、当然の事ながら事故も起こるようになり、公園側はあわてて餌付けを禁止。
クマは餌を求めてキャンプ場を襲い射殺されるようになりました。自然の生態系を守るための国立公園が逆に生態系を壊すことをしてしまったのです。今ではどの野生動物にも餌やりは禁止。キャンプ場でも食料はすべて専用の鉄の箱に、ゴミもクマが取れないよう頑丈な鉄のゴミ箱に捨てるようになっています。
このようにイエローストーン国立公園は野生生物との共存を模索してきた国立公園でもあります。
「ラマー・バレー」のデータ
国名 | アメリカ |
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世界遺産名 | イエローストーン国立公園 |
名称 | ラマー・バレー |