モスクワのクレムリン

クレムリンはロシアの首都モスクワにあり、「モスクワのクレムリンと赤の広場」として世界遺産に登録されています。正面には赤の広場があり、ロシア連邦大統領府や大統領官邸が置かれ、政権の中枢です。

クレムリンの歴史

クレムリン|モスクワのクレムリンと赤の広場 (4)

クレムリンはロシア語で「クレムリ」といい、これは城塞という意味です。そのため、中世のロシアでは、各地にクレムリが存在しました。その中でも最も大きなものが、モスクワのクレムリです。

モスクワのクレムリは、12世紀にその原型が造られたといわれています。1366年に石造りに改築され、15世紀後半にイヴァン大帝(イヴァン3世)にがイタリア人建築家を招聘し、現在のルネサンス様式にさらに改築しました。この時期に、三大聖堂である生神女就寝大聖堂、生神女福音大聖堂、アルハンゲリスキー大聖堂やイヴァン大帝の鐘楼が建設され、現在とほとんど同じ様相になりました。

17世紀になると城門に塔を設けます。しかし1712年にピョートル1世がサンクトペテルブルクへ遷都し、クレムリンの歩みはいったん止まることになります。1812年にはナポレオンによってモスクワが一時占領され、クレムリンの一部も破壊されてしまいました。

1917年にロシア革命が起きてからは再び政府の中枢となり、ソビエト連邦の建設と崩壊を経て現在に至ります。

クレムリンの位置と規模

クレムリンは南にモスクワ川が流れており、北東に赤の広場、北西にアレクサンドロフスキー公園があり、それらに囲まれた三角形の敷地の中にあります。

城壁は長さが2.25㎞あり、城門は20、塔が20あります。面積が約26haで、その中に多くの宮殿と聖堂が建てられています。

クレムリンの建築物

クレムリンの広大な敷地には、実に多くの建築物が建てられています。

クレムリンの宮殿

グラノヴィータヤ宮殿(多稜宮)

photo credit: 1403 via photopin (license)

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1481年から1891年にかけて建設された宮殿で、イタリア人建築家マルコ・ルッフォ・ピエトロ・ソラーリがデザインしました。白い多面体の石で覆われた特徴あるファサード(建物正面の外観)で、これが名前の由来となっています。帝政ロシア時代は公式行事が行われました。

テレムノイ宮殿

1636年に建設された、ロシア歴代皇帝の御所です。元々は2階建てでしたが、後に5階建てとなりました。紅白の菱形模様の屋根に特徴があります。

クレムリン大宮殿

クレムリン|モスクワのクレムリンと赤の広場 (5)

1849年に建設された、クレムリンの中でもまさに中枢を担う存在です。全長125m、奥行63mの圧倒的な大きさに加え、設計者コンスタンチン・アンドレーエヴィッチ・トーンにより取り入れられた当時の最新技術(金属やセメント、暖房設備など)により、類を見ない大宮殿となりました。叙勲式や外国からの使節の謁見、議場として使われ、一般公開はされていません。広義では、前述のグラノヴィータヤ宮殿とテレムノイ宮殿も合わせてクレムリン大宮殿と呼びます。

武器庫

photo credit: Moscow: Kreml via photopin (license)

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初めは名の通り武器庫でしたが、1720年にピョートル大帝の命で美術館になりました。様々な宝物や中世からの武器、織物や衣装などが展示されています。

他にも、ロシア大統領官邸やロシア大統領府もあり、現在は兵舎となっているアルセナール(旧兵器庫)があります。

クレムリンの大聖堂広場

クレムリン大宮殿の東に、聖堂が多く建てられた広場があり、ここを大聖堂広場と呼びます。

アルハンゲリスキー大聖堂

1509年にイタリア人アルヴィン・ヌオヴォの設計により建てられました。タマネギ型と呼ばれる5つの丸屋根があり、歴代皇帝の納骨所となっています。

生神女就寝大聖堂(ウスペンスキー大聖堂)

クレムリン|モスクワのクレムリンと赤の広場 (8)

1479年、イタリア人アリストートル・フィオラヴァンティにより設計・建築されました。こちらにも5つの丸屋根があり、皇帝の戴冠式に使用されていました。内部にはイヴァン雷帝の玉座があり、歴史的・宗教的価値が非常に高いフレスコ画やイコンを見ることができます。

生神女福音大聖堂(ブラゴヴェシチェンスキー大聖堂)

クレムリン|モスクワのクレムリンと赤の広場 (6)

1489年に建てられた、皇帝や皇后の私的な礼拝所です。丸屋根は9つあります。

 

クレムリンの塔

クレムリンの城壁には20の塔が併設されています。そのうちの5つの塔の先端には、ルビーでできた直径3mの赤い星(クレムリンの赤い星)が輝いています。このルビーはウラル山脈から採掘されました。

イヴァン大帝の鐘楼、鐘の皇帝

クレムリン|モスクワのクレムリンと赤の広場 (3)

大聖堂広場の中心にあり、高さは80mを超え、21個の鐘が設置されています。鐘楼の前には「鐘の皇帝」と呼ばれる重さ200tの巨大な鐘が展示されています。

大砲の皇帝

クレムリン|モスクワのクレムリンと赤の広場 (2)

武器庫の前に、大砲の皇帝と呼ばれる大きな大砲が展示してあります。1586年にスパスカヤ塔の門を守るために造られましたが、結局今まで一度も使われたことはありません。口径890㎜、重さ40tもあり、観光客の撮影スポットとして人気があります。

 

武器庫に併設されたダイヤモンド庫には、189.62カラットの巨大なダイヤモンドが展示してあります。その大きさは他では絶対に見ることができませんから、必見ですよ!

「モスクワのクレムリン」のデータ

   
国名 ロシア
世界遺産名モスクワのクレムリンと赤の広場
名称 モスクワのクレムリン
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