サン・パウ病院

サン・パウ病院は銀行家パウ・ジウの寄付で、1401年からバルセロナにあった6つの病院を合併し、1902年から28年の歳月をかけて造られた病院です。正式名称はサンタ・クレウ・イ・サン・パウ病院といい、2009年まで病院として活躍していました。

サン・パウ病院とは?

サン・パウ病院はバルセロナ市内の14万5千㎡の敷地内に48の建物が並ぶ巨大病院です。カタルーニャ音楽堂とともに世界遺産に登録されています(バルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院)。

その設計を担当したのが、リュイス・ドメネク・イ・モンタネール。ガウディと同じ年代を生き抜いた建築家でモデルニスモを代表する者同士ライバル関係にあったといわれています。また、モンタネールは大学を卒業してすぐに教授となった天才で、ガウディが生徒だったことも有名です。二人を比べると生き方も建築家としての表現方法も正反対。これもモデルニスモ建築が人々に魅了される要因となっているのかもしれません。

モンタネール最大のプロジェクトとして着工した病院建設は、「芸術には人を癒す力がある」という彼の信念のもとに造られました。ステンドグラスやタイルなどの装飾をあらゆるところに施し太陽の光を取り込む癒しの建物として完成しました。

残念なことにモンタネールは1923年完成を待たずに他界。彼の息子が跡を継ぎ1930年に無事完成しました。2009まで機能しましたが、4年の歳月をかけて修復され、2014年に今まで通りの病院機能を持つ博物館として一般公開されています。

6つの建築物から成る病院はカラフルなタイルやステンドガラス、モザイク画などで彩られています。施主のパウ・ジルの像が置かれた正面玄関は、レンガ色で両手を広げたような外観が温かみを感じます。

本部塔の先端の時計塔は伝統的なゴシック様式。イスラム宮殿のような病棟はムデハル様式のレンガ造りです。カタルーニャの紋章と政令の彫刻も魅力的です。

内部はモンタネール作品の特徴である豪華な装飾が点在しています。金や銀を使った豪華さもありますが、それ以上に花のスタイルをあらゆるところに施した上品さと可憐さを活かした美しさを感じられます。

入口の美しいアーチや廊下の天井に施された絵付きのタイルや破砕タイルを円状に並べたアラブ風の天井などが見どころ。花のモチーフ、淡い優しい色彩モザイクやステンドグラスなどが取り入れられた美しい空間です。また、機能性にも優れ、患者が心地よく過ごせるように自然光が多く取り入れられるよう建築角度や風通しがよいように工夫を凝らし、全ての病棟間で患者を病室に運べるように地下の廊下をつなげる工夫もされています。

ステンドグラスやモザイクなどの天井が美しい本部棟では地下通路やオフィスとして利用される館内の一部を見学できます。またかつて病棟だった建物も立ち並ぶ姿も見どころの一つです。修復工事の様子やモザイク画などを解説するパネルやビデオも展示されています。ぜひ、外観だけでなく内部の素晴らしさにも触れてみてください。

サグラダファミリアから徒歩で約8分にあるので合わせて見学し、モデルニスモ建築の両巨匠最大のプロジェクトを見比べるのもおすすめです。

「サン・パウ病院」のデータ

   
国名 スペイン
世界遺産名バルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院
名称 サン・パウ病院
感想・コメント

メールアドレスが公開されることはありません。

世界遺産を名前から探す