オシオス・ルカス修道院
ダフニ修道院、オシオス・ルカス修道院、ヒオス島のネア・モニ修道院

ギリシャのデルフィから車で約30分。現在も修道士たちが暮らす、現役のオシオス・ルカス修道院が丘陵地帯に谷を見下ろすように聳えています。

東ローマ帝国時代のギリシャ正教会の修道院である、「ダフニ修道院」や「ヒオス島のネア・モニ修道院」と共に、1990年にユネスコ世界遺産登録されました(ダフニ修道院、オシオス・ルカス修道院、ヒオス島のネア・モニ修道院)。

聖人ルカスの予言により繁栄した修道院

【世界遺産】オシオス・ルカス修道院

photo credit: Hosios Loukas via photopin (license)

オシオス・ルカス修道院は945年に聖人ルカスによって創建された修道院です。

ルカス本人は953年に亡くなっていますが、アラブ人によって侵略されたクレタ島が、「東ローマ帝国のロマノス皇帝が征服する」と生前に予言していたことで、ルカスへの崇拝が高まりました。その後、有名な巡礼地となり繁栄し、教会は1011年ごろにルカスの墓の上に建てられました。

ビザンティン時代の石材を使った建築と、内部の豪華なモザイク画が魅力的な寺院です。

どこにでもあるような大きな白い石と紅レンガで造られていますが、配置が抜群でセンスの良さが際立つ外観をしています。門をくぐると前庭があり、現在も修道士たちが暮らす独居房があります。

その先にはギリシア十字に構成された最も典型的な中央聖堂があります。中央聖堂は複合型スクィンチ式教会堂と呼ばれる中期ビザンティン建築特有の建築で、現存する建物の中でも傑作と評されています。

特に左右対象に造られている正面には、入口の上部の装飾などまさに芸術に満ちています。

11世紀に描かれたモザイク画が彩る内部

【世界遺産】オシオス・ルカス修道院

photo credit: P5300587 via photopin (license)

聖堂前室にある多彩な装飾が印象的なモザイク画は保存状態がかなり良好で見応えがあります。

中央聖堂に入ると、金を施したモザイクやイコンで埋め尽くされ、宗教美術の逸物となっています。テンプロンと呼ばれる様式の祭壇は、中央の王門も開かれているので、全体を見ることができます。

後陣には小さなドームがあり、ここには金箔の上に白い衣をつけた12使徒が座っているモザイク画が描かれています。特にドームの天井に描かれたキリストとモザイク画の「ユダの裏切り」は保存状態がよく必見です。その奥にも半ドームがあり867年に描かれた「聖母子像」のモザイク画も描かれています。

【世界遺産】オシオス・ルカス修道院

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身廊のドームは、8つのペンディンティブによるドームで造られ正方形の四隅のスキンチと、その間には4つの空間で8つに分けられています。このスキンチには「降誕」、「洗礼」、「神殿奉献」、「受胎の告知」が描かれていますが、受胎の告知は失われています。

【世界遺産】オシオス・ルカス修道院

photo credit: Hosios Loukas via photopin (license)

地下祭室の壁画にはキリストの受難と復活が描かれています。また、中央聖堂の左手の通路を行くと、ノートルダム(テオトコス)教会があります。装飾は少なくシンプルな造りですが、ビザンティン建築の美しさを感じられ必見です。

オシオス・ルカス修道院のまとめ

中期ビザンティンの代表的な建築物です。内部のモザイク画はキリストの栄光が強調された美しいものです。建築美やモザイク画などの美術を堪能する上にも訪れてみたいスポットです。

ギャラリー

「オシオス・ルカス修道院」のデータ

   
国名 ギリシャ
世界遺産名ダフニ修道院、オシオス・ルカス修道院、ヒオス島のネア・モニ修道院
名称オシオス・ルカス修道院

 

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