法隆寺
法隆寺地域の仏教建造物

法隆寺は奈良県生駒郡斑鳩町にあり、法隆寺地域の仏教建造物の中心として世界遺産に登録されました。聖徳宗総本山で、別名は斑鳩寺といいます。境内は約18万7千㎡の広さがあり、西院伽藍は、現存する世界最古の木造建築物群です。

法隆寺の創建

飛鳥時代の天皇である用明天皇は、自身の病気の回復のために寺の建立を発願しましたが、取り掛かる前に崩御してしまいました。そのため、後を継いだ推古天皇と用明天皇の息子である聖徳太子が、607年(推古15年)に寺と本尊を造ったと伝えられています。

その後、何度か火災に遭いますが、幸いなことに致命的なダメージを受けることはなく、時代の荒波を乗り越えていきます。

1934年(昭和9年)から1985年(昭和60年)には「昭和の大修理」が行われ、金堂や五重塔が修理されました。しかし残念なことに金堂で火災が発生し、内部の壁画や柱を焼損してしまったのです。

法隆寺の伽藍と貴重な寺宝

法隆寺は、西院伽藍と東院伽藍の二つに分けられます。

西院伽藍

中門

【世界遺産】法隆寺 | 法隆寺地域の仏教建造物

photo credit: 法隆寺 via photopin (license)

中門は、左右に日本最古の仁王像である金剛力士像が配置されています。

金堂

金堂には法隆寺の本尊が祀られています。釈迦三尊像、薬師如来座像、阿弥陀如来座像です。これらは、聖徳太子、用明天皇(太子の父)、穴穂部間人皇后(あなほべのはしひとこうごう・太子の母)のためにつくられたものです。

中でも、釈迦三尊像には大きな特徴がみられます。アーモンド形の眼・アルカイックスマイル(古式の微笑)・太い耳朶・首に三道(3つのくびれ)が無いという点で、大陸風であるといわれています。

この他、金堂には日本最古の四天王像も安置されています。

また、ここの壁画は仏教絵画として非常に有名だったのですが、先に述べたとおり「昭和の大修理」の際に火災で焼損してしまいました。現在は再現壁画がはめこまれています。

五重塔

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photo credit: Horyu-ji via photopin (license)

ここには釈迦の遺骨である仏舎利が祀られています。塔はストゥーパと言われ、仏舎利を祀るものでした。高さは約31.5mあり、日本最古の五重塔です。

東院伽藍

東院伽藍は、聖徳太子の住居であった斑鳩宮跡に造られました。739年(天平11年)のことで、ここが荒れ果てていたことを嘆いた僧・行信によるそうです。

夢殿

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photo credit: 夢殿 via photopin (license)

東院伽藍の中心的な建築物で、奈良時代のものです。八角円堂で、中には救世観音像(ぐぜかんのんぞう)という、聖徳太子の等身といわれる仏像が祀られています。

大宝蔵院

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photo credit: via photopin (license)

大宝蔵院には、多くの貴重な寺宝が保管・展示されています。主なものをご紹介します。

○百済観音(くだらかんのん):非常に細身で優美な9頭身の仏像です。伝来などの詳細はすべて不明で、謎に包まれています。

○九面観音(くめんかんのん):唐から伝来したもので、白檀でできており、すべてを一木で彫り上げた、技術的にも素晴らしいものです。

○夢違観音(ゆめたがいかんのん):飛鳥時代後期の作品で、悪夢を良夢に変えてくれると言われている仏像です。

○玉虫厨子(たまむしのずし):仏堂形の厨子で、透かし彫りの金具の下には玉虫の羽を敷いていたためにこの名前がついたそうです。

いずれも国宝に指定されています。

また、大宝蔵院に収蔵しきれない宝物は、大宝蔵殿に収蔵してありますが、こちらは年に2回の限定公開となっています。

法隆寺の駐車場にある植え込みは実は古墳だったと判明

世界遺産・法隆寺(奈良県斑鳩町)の参道脇の観光バス駐車場にある円形の植え込みが、6世紀後半につくられた古墳だったことが、同町教育委員会と奈良大学の発掘調査で確認された。

https://news.livedoor.com/article/detail/24944242/

国宝級の貴重な宝物のオンパレードな法隆寺。古代の風を感じさせる伽藍を歩き、優美な仏様にお目見えすれば、きっと心が洗われるような気分になると思いますよ。

法隆寺は、バチカンの世界遺産「サン・ピエトロ大聖堂」、ギリシャの世界遺産「パルテノン神殿」とあわせて、世界三大宗教空間に数えられます。

「法隆寺」のデータ

国名 日本
世界遺産名法隆寺地域の仏教建造物
名称法隆寺

 

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