法起寺
(法隆寺地域の仏教建造物)
法起寺(ほうきじ・ほっきじ)は奈良県生駒郡斑鳩町にあり、法隆寺地域の仏教建造物のひとつとして世界遺産に登録されました。
聖徳宗の寺であり、昔は岡本寺、池後寺(いけじりでら)などとも呼ばれていました。本尊は十一面観音です。
法起寺創設とその歴史
そもそもこの地は、聖徳太子が法華経を講説した岡本宮の跡地であるといわれています。太子の息子・山背大兄王(やましろのおおえのおう)が、太子の遺言によりここを寺に改めたそうです。
638年(舒明10年)には、福亮僧正(ふくりょうそうじょう)により金堂が建立され、685年(天武14年)には恵施僧正(えせそうじょう)が宝塔の建立を発願し、後に建設されたといいます。
このように、奈良時代は栄えた法起寺ですが、平安時代からは法隆寺の下に入り、徐々に衰退していってしまいます。江戸時代初期には、三重塔のみが残されていたそうです。
そこで、寺僧の真政圓忍(しんせいえんにん)たちが復興に立ち上がりました。1678(延宝6年)に三重塔を修復し、1694年(元禄7年)には講堂を再建します。1863年(文久3年)に聖天堂を建立し、伽藍を整えました。それから修理・改修を加えつつ、現在に至ります。
法起寺の伽藍
法起寺の伽藍は、塔が東で金堂が西に配置されていました。これは、法隆寺の西院や法輪寺とは逆の造りになっています。
三重塔は、708年(慶雲3年)の建立とされています。日本最古の三重塔ですが、江戸時代の修理で大幅な改造がなされていたため、1970年~1975年(昭和45年~昭和50年)の修理の際に、創建時と同じ形に復元されました。
伽藍の造りが法隆寺西院や法輪寺とは逆というのが興味深いですね。実際に確かめることができたら、よりいっそう理解が深まると思いますよ。
「法起寺」のデータ
国名 | 日本 |
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世界遺産名 | 法隆寺地域の仏教建造物 |
名称 | 法起寺 |