鬼才ガウディ名建築物4選



7つの作品が「アントニ・ガウディの作品群」として世界遺産に登録されているガウディ。彼は他にも名建築物を残しています。世界遺産には含まれていないものの、一見の価値がある建築物をご紹介します!

グエル別邸

1884年から1887年に建設されたガウディ初期の作品です。バルセロナでも屈指の高級住宅街ぺドラルベス地区に建つ、パトロングエルが週末を過ごすための邸宅内の守衛小屋と厩舎の増改築を依頼されました。グエルとガウディがタッグを組んだ第一号となる作品です。現在邸宅は現存せず、厩舎と調教舎、門衛館、正門、塀、噴水が残っています。

見どころはギリシャ神話に出てくる黄金のリンゴの園の番人である龍を装飾した鍛鉄の正門。完成当初はこのドラゴン門を開くと動く仕掛けとなっており鮮やかに彩色され、グエル別邸の中で一番と評判になりました。今は色が落ちて仕掛けも動きませんが、翼を広げ大きな口を開けたドラゴンの姿には圧倒されます。これを作った鍛冶職人たちにも賞賛された門だけに必見です。

建物はムデハル様式で、ガウディの作品の中では外観は非常にシンプルです。カタルーニャ伝統の土壁構築も取り入れ魅力的に仕上げています。建物の角張った部分に赤や黄色に焼いたレンガが組み込まれ、先端部分の赤褐色の陶土でできたレンガがギザギザに配置されているのも印象的です。

現在は厩舎には床が張られています。2m感覚に並んだレンガ造りのアーチが美しく、ガウディ建築の象徴といえるアーチの構造の走りを見ることができます。また、一部は昔の荷馬車などが展示される展示ルームになっています。一般公開されていませんが、土・日曜日には英語のガイドツアーがあり中に入ることができます。

カサ・カルベット

1898年から1900年にペレ・マルティル・カルベット氏の依頼により建てられた繊維会社のオフィスとして建てられた集合住宅。「カサ・カルベット」は、バルセロナで最もアーティスティックな建築物に贈られる、第一回バルセロナ建築年間賞を受賞したことでも知られています。1階が事務所、2階がカルベット氏の住居、3階より上は賃貸マンションとして使われました。今でも現役のマンションで、1階部分はレストランです。

ファサードや1階の階段、エレベーターホールはネオ・バロック様式で、ファサードにはモンジュイックの丘の石が使用されています。ガウディ建築の大胆性はなく、かなりおとなしい造りとなっています。正面玄関の上には花や茸、カタルーニャの紋章、歓待、平和、豊富を表した彫刻があり、ファサードの戴冠部分にはカルベット氏の故郷の3体の守護聖人像と、異なる形や模様の鋳鉄製バルコニーが見ものです。

内部にもバロック様式の装飾があり、特にロビーは必見。視野を広げるために木製の階段横に中庭の光をあてています。この手法が審査員の注目を浴び冒頭の賞を獲得したといわれています。

現在マンションのため内部を見ることはできませんが、一階にあるレストランCasa Calvetで食事をすると、重厚で格調高いクラシカルな内部を見ることができます。

サンタ・テレサ学院

1888年から1890年にかけて、聖テレジア派修道会創設者、セルベリョ司祭によりガウディが制作した建築物。1階が出来上がっており、2代目の建築家として携わったもの。宗教団体が資金困難に陥り彼も完成には至らなかった建築物です。資金が少なかったにもかかわらず、ガウディらしい独創性を持った厳かな建築物に仕上げました。外観はレンガ造りのムデハル様式。比較的安い材料のレンガは最適な素材でしたが、複雑に組み合わせるため労働力に苦心したといわれています。現在も女学院として使われているので内部見学はできません。

前任者がネオ・ゴシック様式で造っていたものを、当時の流行であったムデハル様式に設計しなおしました。一番の見どころはガウディ建築のシンボルともいえる、尖塔の塔頂部の4本枝の十字架。サグラダファミリアグエル公園など世界遺産でも使われ、360度どこから見ても十字架に見えるものです。レンガ造りの螺旋状のデザインの柱やガウディらしいデザインが随所に見られます。

中には入れませんが地上4階建ての建物の内部には、高い廊下が3本あり、ガウディのトレードマークといわれるパラボラアーチが非常に幻想的な空間を作り出しています。また、アーチ型の扉も魅力的です。全体的に白を基調とした構造で光と影の共演も見どころです。

ガウディらしさが抑えられた直線的で厳格な雰囲気の建築物も、才能と信仰心を随所に感じられ、ガウディファンには必見の建物です。

ベリェスグアルド(フィゲーラス邸)

1900年から1909年に建てられた、ガウディ建築のファンであった、サゲス夫人の依頼によって建築された邸宅です。コルセローラ山麓の松林に囲まれた高台にあり、屋上からは360度のバルセロナ市内と地中海を背景にした風景を眺められることから「ベリェスグアルド」との名前が付けられました。かつてここにはカタルーニャ・アラゴン王国最後の国王マルティン1世が建てた宮廷があり、その時代の遺構が残っていたのでそれに合わせて建築が進められました。

周りの環境との調和を大切にするガウディ建築らしく、地元産のスレートを使って外観を覆っています。この邸宅も地味なスタイルに仕上がっています。この時代のガウディはネオ・ゴシック様式を多用し本邸宅も採用していました。ドラゴンをイメージして作られた邸宅は奇抜さはありませんが、入口の肴のタイルや星のタイルを施した枠とステンドグラス、ベンチにはガウディらしいカラフルなモザイクが施されています。

内部は外観のシンプルさとは違い豪華な装飾。モザイクタイルの壁に真っ白な柱が特に印象的です。白を基調とした自然光が多く取り入れられた明るい雰囲気の内部は、美しいステンドグラスから柔らかな光が注がれています。屋根裏には曲線を活かしたアーチも見られ、後にサグラダファミリアにも使われています。

ガウディ建築の軌跡をたどることができる建築物は、バルセロナ市街と遠くは地中海までの美しい景観が望め、今でも現役の個人宅として活躍しています。

スペインの世界遺産 アントニ・ガウディの作品群

 

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