コンウィ城
(グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁)
イングランド王エドワード1世によって建てられた、ウェールズ遠征の軍事拠点となったお城です。1283年からわずか4年半という短期間で完成しました。イギリスにある城塞の中でも保存状態がよく、コンウィの町が城壁で囲まれている姿を見ることができます。
「グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁」として、1986年にカーナーヴォン城、ビューマリス城、ハーレックス城とともに世界遺産に登録されています。
コンウィ城のあゆみ
1282年にウェールズから領地を奪った、イングランドの王エドワード1世によって、ウェールズの反乱を抑えるために1283年に築いたお城です。
王が強力な力を保持するために町を城壁で囲み、同時にイングランドから商人や職人を呼び新しい街を作りました。ウェールズの人々は200年間、この新しい街には住むことができませんでした。
15世紀には、ついにウェールズが立ち上がり、猛攻撃を受けたイングランドの人々は追放されましたが、すぐに形勢が逆転し16世紀にはまた統合。17世紀の清教徒革命では、王党派と議会派の攻防の舞台となっています。
難攻不落の堅固なコンウィ城
城は自然の防御壁となったコンウィ川と背後の山、約3kmにも及ぶ高さ9mの城壁と21の半円形の塔に囲まれた典型的な中世のお城です。
町の南東部にあるお城は、8つの円形の高い塔が立ち、塔の上からは美しい景色が広がります。特に、町側に一番近い塔からは、町並みとコンウィ川、海が一望でき爽快です。
この城はエドワード1世が、ウェールズ攻略のために、環状に10城造ったといわれる城の一つです。
城内は西外堡、アウター・ウォード、お城の中心のインナー・ウォード、東外堡の4つに分かれています。アウター・ウォードには護衛所と馬屋、キッチン、大広間、牢獄などがありました。インナー・ウォードにはエドワード1世とエリノア王妃の住まいがあり、2階には王の間、謁見の間、礼拝堂、などの跡が残っています。
城内には人形も展示され、当時の様子を感じることができます。
まとめ
ウェールズの入り口にあり、美しい町コンウィの川畔にある、シンボル的な存在のお城です。木組みの家が佇む町を歩くと今でもかつての栄華と共に中世の雰囲気を感じることができます。また、夕景や夜景の美しさでも知られ、橋を渡ったところの景色は画家ターナーが描き、カーディフ国立博物館&美術館に収蔵されています。
コンウィの町はヨーロッパの美しい村の一つとして選ばれるほど素敵な町です。ぜひ、訪れてみてください。
「コンウィ城」のデータ
国名 | イギリス |
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世界遺産名 | グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁 |
名称 | コンウィ城 |