カーリエ博物館
(イスタンブルの歴史地区)
カーリエ博物館はトルコのイスタンブルにあり、テオドシウスの城壁のエディルネ門の近くにあります。「イスタンブルの歴史地区」のひとつとして、世界遺産に登録されました。
カーリエ博物館の歴史
カーリエ博物館の母体となる建物は、11世紀ごろに建てられたもので、コーラ修道院付属ソーテール(救世主)聖堂と呼ばれていました。
内部にはビザンティン美術の最高傑作と言われるモザイクとフレスコ画が描かれました。しかし、複雑に増改築が繰り返され、オスマン帝国時代になるとモスクに改築され、名前も「カーリエ・ジャーミー」とされました。
この時、内部の装飾は漆喰で塗り固められてしまいます。しかし、1948年から1958年、アメリカのビザンチン研究所によって漆喰が取り除かれ、美しい装飾が再び陽の目を見ることとなりました。1958年からは無宗教の博物館となり、一般に公開されています。
カーリエ博物館内部
カーリエ博物館は、大まかに3つの領域に分けられます。ナルテクス(玄関のようなもの)、聖堂内陣、パレクレシオン(墓廟礼拝堂)です。
ナルテクスの正面入り口上部には「パントクラトール」が描かれています。パントクラトールとは全能者ハリストス、つまりイエス・キリストのことです。
ここでは、キリストの生涯や聖母マリアの生涯を描いたフレスコ画などを見ることができます。
パレクレシオンでは、ビザンティン美術屈指の名作と言われる「復活」や「最後の審判」などを見ることができます。
オスマン帝国の支配下に置かれたときに、漆喰によって塗り込められてしまったモザイクやフレスコ画ですが、このことがかえって良い方向に働きました。長い期間を空気にさらされず保存されたことで、状態が良いまま発見されたのです。
荘厳なモザイクやフレスコ画をより楽しむためには、聖書の物語を頭に入れておくのがおすすめですよ。
「カーリエ博物館」のデータ
国名 | トルコ |
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世界遺産名 | イスタンブルの歴史地区 |
名称 | カーリエ博物館 |