宙吊りの家(スペイン抽象美術館)
(歴史的城塞都市クエンカ)
「魔法にかけられた街」とも呼ばれるスペインのクエンカ屈指の観光名所である宙吊りの家は、14世紀に建てられました。
宙吊りの家は18世紀中ごろまでは市庁舎として使われ、別名「不安定な家」とも呼ばれます。崖の上から完全にせり出したバルコニーが印象的で、今にもコロリと落っこちてしまいそうな建物です。20世紀に入って修復が行われ、この家の象徴といえる梁の付いたバルコニーが増設されました。
現在は、内部はとてもモダンな美術館として公開され、窓の外に見える奇岩も窓枠によって仕切られた一つの作品になっています。また、有名レストラン「カサス・コルガーダ」もあり、味と雰囲気、窓際の景観どれも最高です。ラ・マンチャの名物料理のウズラの煮込みなどを味わえます。
宙吊りの家の外観
スペインのクエンカは、周囲をフカル川とウエカル川に削られた小さな街です。狭く不規則に入り組んだ通りの周りには高層階の建物が立ち並び、中でも有名な宙吊りの家は、中世の面影が残り心惹かれるものがあります。
石灰岩の断崖の上にせり出すように建つ「宙吊りの家」は、バルコニーが飛び出し見ているだけで足がガクガクするほどの景観です。ウエカル川に架かるサン・パブロ橋から見上げる景色は、まさに「宙吊り」状態。ここから見上げると床は地面に接しておらず、家自体が崖にくっついているだけのように見え絶壁の上にせり出すように建つ姿は迫力があります。また、真下から見ると地面からはみ出している姿も見ることができ一興です。
スペイン抽象美術館
外からの見た目はかなり小さく見えますが、実は3軒件分の広さがあり内部は修復が十分になされ、現在は美術館になっています。アントニ・タピエスやエドゥアルド・チリーダなどスペインの芸術家による1950~60年代の作品を中心に前衛的なアートが展示され、ミロの作品など有名作家の作品もあり見る価値ありです。
また、バルコニーにでると宙に浮いている感覚を覚え爽快な体験をすることができます。宙吊りの外観が重要視されますが、抽象画もじっくりと観賞してみてくださいね。
サン・パブロ橋
1902年に建てられた高さ60mの鉄製の赤い橋。16世紀に建設された石造りの橋がありましたが、1883年に崩れてしまいました。今でも、橋の袂には石橋の面影が残っています。100年前に建てられた趣ある橋は見る価値ありです。ここからの宙吊りの家の景観が一番の迫力ですが、渡る時のスリルもピカイチ。大きく揺れ幅1mの橋は歩くだけで精一杯で、恐怖で渡れない人もいるので高所恐怖症の方は注意してくださいね。
宙吊りの家の夜景
夜にはライトアップされた宙吊りの家はとても幻想的で美しく輝きます。対岸からはライトアップされた宙吊りの家とサン・パブロ橋の景観は見事。岩肌身もライトがあたり、趣ある宙吊りの家は勇壮な雰囲気も感じられます。
まとめ
14世紀に建てられた王家の別荘は8件ありました。崖のすぐ側に建てられたものもあり、5軒は崩れ落ち現在は3軒が残っています。対岸から見ると狭い土地に崖ぎりぎりにまで建てられている建物の数々を見るのも楽しいですよ。滅びゆく世界で生きて行こうとする少女たちの物語「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」の舞台で、「魔法にかけられた都市」と呼ばれる景観を心ゆくまで楽しんでください。クエンカの絵葉書には必ず登場しています。ぜひ、お土産にどうぞ。
「宙吊りの家(スペイン抽象美術館)」のデータ
国名 | スペイン |
---|---|
世界遺産名 | 歴史的城塞都市クエンカ |
名称 | 宙吊りの家(スペイン抽象美術館) |