カサ・ビセンス
(アントニ・ガウディの作品群)
スペインの世界遺産「アントニ・ガウディの作品群」の1つであるカサ・ビセンスは、バルセロナのグランシア地区にあり、ガウディがはじめて住宅設計をした邸宅です。
タイル工場で財を成した実業家のマヌエル=ビセンスの依頼により、1883~1888年にかけて夏の邸宅として建設された、ムデハル様式というイスラム建築にキリスト教の建築が融合された作品となっています。
ビセンスがタイルやレンガを扱う事業をしていたので、タイルとレンガを無限に使うことができ、緑と白のタイルを規則的に配置し赤いレンガの骨格とのバランスのよさが際立っています。イスラム建築のエキゾチックで幾何学的な要素と西洋建築がうまく合わさった建物です。
アラブ風の外観がユニークでタイル使いの美しさが特徴。初期の作品ということでガウディらしい曲線使いは見受けられませんがタイルの使い方や窓枠やベランダに用いられた曲線の美しさは独特のセンスが感じられます。
タイルの柄にはこの地区に咲くインディアン・マリーゴールドの花があしらわれ、窓の鉄柵にはサグラダファミリアの天井にも使われているシュロの葉がモチーフとなり、常に自然を意識したガウディ建築らしさも見て取られます。
ガウディが緻密に計算して設計した直線使いの外観は見ものです。ガウディ建築の原点ともいえる邸宅は、初の大仕事にかける若き日のガウディを見ているように感じられるのではないでしょうか。
これまではカサ・ビセンス内部の見学はできませんでしたが、2017年11月16日に一般公開されました。
「カサ・ビセンス」のデータ
国名 | スペイン |
---|---|
世界遺産名 | アントニ・ガウディの作品群 |
名称 | カサ・ビセンス |