バンベルク大聖堂
バンベルク市街

ドイツ中南部、バイエルン州の都市、バンベルクにある大聖堂。丘の上に町を見下ろすように建ち、街のシンボル的存在として威風堂々たる姿を見せています。

1012年に建てられましたが焼失と再建を繰り返し、現在は1237年に神聖ローマ皇帝ハインリヒ2世の命によって建てられたもの。後期ロマネスクからゴシックにいたる過渡期の建築様式で、この時代の建築芸術の一つとして知られています。

特に、ドイツの彫刻家、ティルマン・リーメンシュナイダーによる彫刻が施された皇帝夫妻の石棺とバンベルクの騎馬像はドイツの美術史上貴重な遺産といわれています。

中世建築最高傑作の大聖堂

4基の尖塔と東西に内陣を有する三廊式構造で、どっしりとした姿が印象的です。この大聖堂の建築の面白さには、北フランスのゴシック様式大聖堂建築がドイツにも流れてきた時代で、後期ロマネスクからゴシックへの移行を随所に見ることができます。

威容が印象的な大聖堂の外観

外観上の大きな特徴といえる高さ約81mの4本の尖塔は、穏やかな空に向かって聳え建ち町のどこからも目立つ存在。

慈悲の門

正面入り口の慈悲の門ではタンパンに彫られた彫像は小規模で細い円柱が連なっています。彫像には聖母マリアや皇帝夫妻も見られます。入口の上には、ドイツの公共の場として近代的な時計が設置され、少しアンバランスな感じです。

君主の門

【世界遺産】バンベルク大聖堂 | バンベルク市街

君主の門は、壮麗なデザインが施され、重厚な中に意匠美が感じられます。1225年造で、皇帝や司教連が祝祭典の時に入場門として使われていました。扉の上には最後の審判の彫刻が施されています。

聖堂内は芸術の宝庫

東西に2つの内陣を持ち全体的にゴシック様式が目立ちますが、東内陣は半円アーチの窓をもちロマネスク様式となっています。

東の内陣(主祭壇)

こちらは窓の面積もかなり小さく石の重厚感を感じさせるロマネスク様式が体感できます。

西の内陣

細い二段の窓や尖頭アーチ型の初期ゴシック様式で造られていることが見受けられます。

バンベルクの騎士像

東の内陣に飾られている1225~1237年に作られたロマネスク彫刻の石像のバンベルクの騎士の像。気品ある堂々とした姿はルネサンス様式を先取りしたかのようです。作者はわかっていません。

皇帝夫妻の石棺

東側の聖壇の両階段の真ん中にある、この大聖堂を建てた皇帝ハインリヒ2世とその妻の壮麗な大理石で作られたお墓です。ハインリヒ2世は聖人君主として有名な皇帝で、皇后クニグンデはローマ教皇庁によって列聖された聖人です。

また、1499~1513年にティルマン・リーメンシュナイダーが石棺の彫刻を担当しました。この彫刻は彼の代表作とされています。

内陣のレリーフ

内陣の壁には「預言者」「使途」の立像があり、力強さと人物の心的緊張が表現されています。バンベルクのしかめ面と呼ばれるほど独特な表情が印象的です。

大聖堂の中にはリーメンシュナイダーと同時期に活躍した、ニュルンベルクの彫刻家、ファイト・シュトースの祭壇彫刻があります。木の彫刻は人間的な温かさを感じさせる作品で、中央にあるイエスの降誕の場面は特に美しく必見です。

また、最後の晩餐や聖堂内にある、その時代を物語るレリーフも興味深くドイツゴシック芸術の宝庫となっています。

まとめ

現在も18世紀の街並みが残るバンベルクに圧倒的な存在感を見せつけるように建つ大聖堂は荘厳な雰囲気を感じます。大聖堂のシンボル的存在のバンベルクの騎士像などがあり、ドイツ中世芸術の宝庫といわれています。

1000年以上変わらない中世の街並みも共に楽しんでください。

「バンベルク大聖堂」のデータ

国名 ドイツ
世界遺産名バンベルク市街
名称バンベルク大聖堂

 

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