アランフエスの王宮庭園
(アランフエスの文化的景観)
アランフエス王宮には、正面に「パルテレ庭園」、北側に「島の庭園」、東に「王子の庭園」があります。タホ川に沿って美しい景観が広がり、3つの緑豊かなヨーロッパ式の庭園は新古典様式の王宮と共に、「アランフエスの文化的景観」最大の見どころとなっています。庭園は多くの像や泉が配され、かつてはスペイン王室の農業試験場とされていました。庭園のすぐそばで蛇行するタホ川までも庭園の景観のひとつという、豪華な景色を見ていると、かつての王族が優雅に水遊びをしていた光景が感じられます。
パルテレ庭園
王宮ファサード前に広がる花壇が美しいフランス式の庭園。1727年フェリペ5世によって、ブルボン王家の庭園様式を模して作られた庭園です。入口すぐにはヘラクレスとアンテオの噴水があり、その奥には美しい花壇があります。花壇には四季により色とりどりの花が咲き、幾何学模様の風景はまるでヴェルサイユ宮殿の庭園を見ているような気分にさせてくれるとても美しい庭園です。
島の庭園
タホ川と人工の川に囲まれた三角の中洲にあるフランス式の庭園。フェリペ2世により1560年から作られた庭園です。ホアキン・ロドリーゴの名曲「アランフエス協奏曲」の第二楽章・アダージョは、スペインの巨匠ゴヤが描いた宮廷の中の風景をモチーフに作られています。島の庭園を流れる美しいタホ川のせせらぎから曲想が浮かんだそうです。
入口すぐにあるヘラクレスとヒドラの泉やミケランジェロ作のアポロの像など彫刻が数多く点在しているのが特徴です。整然と植えられたプラタナスの木が並び、フランスにあるブローニュの森の雰囲気が感じられるといわれています。
王子の庭園
タホ川に沿って延びる、敷地面積150haの広大なイギリス式庭園。カルロス4世によって18世紀末に造園された庭園で、現在は西洋ポプラが美しい市民の憩いの場となっています。庭園内には「王家の小舟博物館」や、「農夫の家」、カルロス国王やホアキン・ロトリーゴがお忍びで訪れたといわれるレストランテ「カスティージョ・デ・1806」もあります。
他にも広大な敷地には、歴代王が船に乗ったタホ川の埠頭や中国風の池、全知全能の神アポロンの泉、ハプスブルク家の高貴な人々とバラの花など見どころが多くあります。東西約3kmに渡る道沿いには、リスや孔雀、雉など可愛い小動物や野鳥も見られる素敵な庭園です。静寂に包まれる上品で優美な雰囲気の庭をゆっくり散策するのもおすすめです。
アランフエス名物 チキトレイン
白いSL型のキュートな観光バス「チキトレイン」。王子の庭から約50分でアランフエスの観光スポットを周遊でき、王宮や庭園はもちろん、街の様子も少し垣間見ることができる便利な乗り物です。1時間に1本運行され途中下車も可能です。庭園内では王家の小舟博物館や農夫の家で下車することもできます。
昔の貴族のように船遊びを満喫したい方には、遊覧船に乗るのも楽しみ方のひとつ。チキトレインとの共通券もあります。
まとめ
王宮の周りにある美しい庭園にはそれぞれに魅力があり、美しいタホ川や銅像、優美な噴水などとても魅力的です。アランフェスの王宮と合わせて訪れると昔の貴族の暮らしぶりを垣間見ることができ、花壇や木に囲まれ非日常的な雰囲気を楽しめます。
「アランフエスの王宮庭園」のデータ
国名 | スペイン |
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世界遺産名 | アランフエスの文化的景観 |
名称 | アランフエスの王宮庭園 |