トレドのアルカサル



スペインの「古都トレド」にあるアルカサルは、元は3世紀にローマ帝国の宮殿があった場所に、11世紀にイスラムの支配からトレドを奪還したアルフォンソ6世が要塞に改築したもの。この町で最も高い標高548mの丘に立つ長方形の建物です。

現在の建物は皇帝カルロス5世が帝王にふさわしい邸宅を立てるよう命じて改築させたものが今のような形の原型と言われています。1537年に建築家アロンソ・デ・コバルビアスによって着工され、フアン・デ・エレラの手に引き継がれました。

アラブ式のサファードには銃眼胸壁が残されていますが、中世の城としての機能はなく、スペインのルネサンス様式が表われています。スペイン内戦中の1936年、共和国軍の包囲戦によって破壊されましたが、再建され、現在は軍事博物館となっています。

 アルカサルの数奇な運命

アルカサルは王室の牢獄、王軍司令部、絹物商の工房としても使われ、1883年には軍隊の士官学校になりました。火事に何度も見舞われ1710年のスペイン継承戦争で焼失した個所は、ベントゥラ・ロドリゲスの指揮で修復されました。

独立戦争の時には2度焼き討ちされ、 1887年には自然発生の火災に見舞われ、1936年9月のスペイン内戦ではアルカサルが激戦の舞台となり、ほぼ壊滅状態となりました。

再建は1940年から始まり、1961年、フアン・デ・アバロスにより落成式を迎えています。またカスティーリャ・ラ・マンチャ州立図書館が併設されており、最新の設備と見事な景観が人々を魅了しています。

アルカサルの外観

photo credit: Alcázar via photopin (license)

photo credit: Alcázar via photopin (license)

アルカサルは正方形の建物の四隅に小塔がある、近代風のすっきりとした建物。東のファサードが中世、西がルネサンス様式、北がプラテレスコ様式、南がチュリゲーラ様式と、それぞれ異なった様式と時代のものになっています。

切り妻屋根型のフロントに西ゴート王国のレカレドやレセスビント両王のレリーフに囲まれた紋章が飾られています。

スペイン内戦でフランコの反乱軍が立てこもり、共和国軍による砲撃でほぼ全壊しましたが、外観と内部の一部に遺構が少し見られます。現在の建物と旧建物の姿のギャップには、儚さを感じ心が痛みます。

パティオ

中央の大きなパティオは白亜の2つの回廊に囲まれています。ポンペヨ・レオーニの作品を複製した皇帝カルロス5世の彫刻が印象的。

博物館

広く見応えのある軍事博物館は、古代ローマや中世の大砲や銃、ナイフ、軍服、旗、模型などが展示され、日本の侍時代の鎧や刀も展示されています。時代・テーマごとに分かれ、サウンドや動画による解説など随所に工夫が凝らされています。中にはカルロス5世のテントなど珍しいものも見ることができます。

博物館にはスペインでおこった過去の戦争に関する展示物がメインに展示され、内戦の惨劇を伝えています。特に印象的なのは、内戦で破壊されたアルカサルの写真やモスカルド大佐率いる反乱軍が72日にわたり篭城した際の大佐の部屋。

部屋の窓際には砲撃の跡も残り、当時の状態が生々しく再現されて、当時の情勢を肌で感じられます。壁にはフランコ将軍の肖像画が飾られ、当時のテーブルや電話が置かれています。共和国軍に捕り処刑された息子ルイスと最後の会話をした電話です。地下には篭城した軍人や市民のベッドも置かれています。

アルカサルからの眺望

9階のカフェテリアや8階のトイレにつながる回廊から見るトレドの街の景色を望め必見です。遮るものがなくはるか遠くまで見渡せ爽快!併設する図書館と9階のカフェテリアは無料で入れます。

 まとめ

アルカサル(軍事博物館)|古都トレド (4)夜はライトアップされ光に映し出されるお城は幻想的でその姿は美しくうっとりさせられます。古都の雰囲気を味わうというスポットではありませんが、スペイン内戦などスペインの近代史に触れられるスポットです。

スペインの世界遺産 古都トレド

 

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