アブ・シンベル大神殿

アブ・シンベル大神殿は、1979年世界文化遺産に登録されたエジプトの世界遺産「アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群」を代表する遺跡です。

そして、このヌビアの遺跡群は、「世界遺産」という概念を生み出すきっかけとなった遺跡です。

世界遺産誕生のきっかけ

1960年エジプト・ナイル川流域にアスワン・ハイ・ダム建設計画が持ち上がります。

ナイル川流域は、古代より頻繁に氾濫していました。しかし、そのおかげで流域は肥沃になり、古代エジプト人によって一大文明が築かれました。

ところが、近代になると度重なる洪水により、流域の人々の生活に支障をきたすようになり、ダム建設は避けられない状態になりました。

しかし、ダムが完成し、このまま放置することになればアブ・シンベル大神殿、イシス神殿に代表されるヌビアの遺跡群が水没することになります。この祐久の歴史を伝える遺跡を護るため立ち上がったのが、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)でした。

ユネスコは、ヌビア遺跡救済事業として、世界各国に協力を呼びかけます。そして、呼びかけに応じた多くの国々の協力により、ヌビアの遺跡群は水没を免れることになります。

この事業の成功がきっかけとなり、歴史的価値のある遺産を一つの国家のみならず全世界共通の遺産として、地球全体で保護・保全するという考えに発展していくことになります。

それが、1972年に誕生した世界遺産条約「世界遺産」です。

アブ・シンベル大神殿とは

photo credit: 2007-05-726 via photopin (license)

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アブ・シンベル大神殿は、新王国時代第19王朝の王であり、建築王の名で馳せたラムセス2世が建立した神殿です。

古代エジプト神殿建築の最高傑作といわれるアブ・シンベル大神殿は、ナイル川にせり出した岩山を掘削して造られた岩窟神殿で、神殿正面には高さ約22mもあるラムセス2世の座像が4体並び、足元には彼の母や王妃、息子、娘などの小さな立像があります。

神殿内部

神殿に入り中に進むと大列柱室があり、ここには両手を組みオシリス神のポーズを取るラムセス2世の像が左右に4体ずつ並んでいます。

また壁には、紀元前1274年に起こったカデシュの戦い(エジプトとヒッタイトの戦い)でのラムセス2世が描かれています。

神殿最奥部・至聖所

神殿最奥部にある至聖所には、4人の神像が祀られています。向かって右から太陽神ラー・ホルアクティ、神格化されたラムセス2世、王の守護神アメン・ラー、メンフィスの守護神プタハです。

これらの像は、年に2回、朝日によって照らし出されるように設計されており、神殿入り口から至聖所まで一直線に伸びる陽光は神秘的です。

ちなみに、左端のプタハ神は地下に住んでいる神であるため、光が当たらないようになっています。古代エジプトの人々の緻密に計算されて設計には驚くばかりです。

アブ・シンベル大神殿は、世界遺産の中でも特に人気のある遺跡です。世界遺産誕生のきっかけでもあり、古代エジプトの人々の技術によって造られ、そして現代の人々の技術によって救われた遺跡を一生に一度は、自分の目で見てみたいと思いませんか?

「アブ・シンベル大神殿」のデータ

クリックすると地図が表示されます。

   
国名 エジプト
世界遺産名アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群
名称 アブ・シンベル大神殿
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