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ケルン大聖堂



ローマ時代からの古い歴史を誇るドイツの文化都市ケルンの街に聳え立つケルン大聖堂。ゴシック様式の建築物として世界最大の姿は、ケルン中央駅前の広場から見ることができ、その驚愕の大きさには驚きを覚えます。

ドイツ人観光客にも人気の高い観光スポットで、ドイツで最も人々が訪れる教会です。高さ157m、奥行き114m、幅86mもあり、40階のビルに匹敵する姿は迫力満点です。

トリーア大聖堂、マインツ大聖堂とあわせてドイツ三大大聖堂と呼ばれています。

ケルン大聖堂の背景

1880年に完成した大聖堂はフランス式ゴシック様式のカトリック教会で、約632年の歳月をかけて建てられました。1164年にミラノから送られた東方三博士の聖遺骨を納めるのにふさわしい聖堂を建築したいと建てられ、ゴシック様式の建築物の中では世界最大級といわれています。ドームの高さはそんなには高くありませんが、大きく突き出た2本の塔には圧倒されます。

初代の大聖堂が作られたのは4世紀。最も古い聖堂として知られ正方形の建物でした。その後、建て替えがなされ、818年に完成しましたが、1248年4月30日の火災で焼失。大司教の命によって同年に現存する3代目の建設が始まりました。

1320年に内陣は完成しましたが、1559年からは、宗教革命による財政難により資金不足となり一時工事が中止されました。内陣が完成していたので献堂式が行われ、教会としての役目は果しています。建設中止後はストップと再建が何度も繰り返されました。

イギリスで再びゴシック建築の価値を見直そうとの動きが高まっている最中、フランスで大聖堂の建設経験のあるゲルハルトが1814年に設計した大聖堂の設計図が発見されました。ゴシック復活の波にのったことと、プロイセン政府からの援助もあり、1842年から工事が再開され無事完成しました。

近年ライン河沿いには高層ビルなどの建設が進み、ケルン市内にも高層ビルの建築計画がもち上がりました。景観が損なわれるとの理由で2004年に一旦「危機遺産リスト」に登録。景観破壊のための危機遺産リスト入りという異例の事態を打開し、2006年に解除されました。ドイツの象徴であるケルン大聖堂は、現在も世界遺産として堂々たる姿を見せています。

ケルン大聖堂の見どころ

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ケルン大聖堂の第一の魅力は、外観の重々しく立派な姿です。人の目に触れない細部にまで装飾がされています。

世界最大級の小塔を持つケルン大聖堂

真下から見上げるファサードには3つの玄関と2つの塔があり荘厳な雰囲気とスケールの大きさは圧巻です。有名な彫刻作家が作った何百体もの彫刻が飾られています。またブロンズの扉にも美しい彫刻がされ、西正面扉口中央には「旧約聖書」の一場面が浮き彫りされています。スケールの大きい大聖堂ですが、繊細な彫刻が施され、その姿は荘厳かつ神秘的です。

南側の小塔

精緻な彫刻で装飾された双塔の南側の塔には509段もの螺旋状の階段があり、塔に上ることができます。眼下にはケルン市街やライン河、中央駅から発着する列車などを望むことができます。

美しい装飾と美術品の宝庫

内部は全長144mあり、広い幅の翼廊と高い中廊、大聖堂を支える石柱と石像、壮麗なステンドグラスなどが配され重厚感を感じます。

ゴシック様式を表す聖堂内

リブ・ボールトの円天井と跳び梁や尖頭アーチが施されたゴシック様式特有の開放感を感じる聖堂内は、壮麗で癒しの雰囲気。大聖堂は神の国(天)と考えられ、また、大聖堂は天高く聳え立つべきと考えられ、高さとキリスト教の神を意味する光を最大限に取り入れた造りになっています。また、多くの柱にある壮麗な装飾、天井にある山型の尖頭アーチ、高層窓を彩るステンドガラスは必見です。

息をのむほど広い身廊

二本の塔の内部には1380年に完成した「ペトロとパウロの一生」の繊細な彫刻を施した門があります。そこには入口から延びる五廊式で高さ43.5mを超える身廊と、奥に長くつながる内陣や放射線状に配された廊の先には礼拝堂が造られています。

幻想的なステンドグラス

内陣を囲む周歩廊には新旧の聖書を描いた色鮮やかなステンドグラスが配されています。南側の側廊には、とても有名な2007年に現代絵画の巨匠ゲルハルト・リヒターによって作られたデザインの格子柄のステンドグラスがあります。第二次世界大戦で完全に壊されたステンドグラスの後に設置されました。

西ファサードから入って右手にはバイエルンの王、ルートヴィヒ1世が1842年に奉納した5枚のステンドグラスが設置されています。「バイエルンの窓」と呼ばれ、全てに寄贈を示す文言「 Ludovicus I. Bavariae」と紋章が記されているとのことです。キリストの受胎の告知、アダムとイブ、4人の預言者、東方三博士の礼拝、ピエタ、聖霊降臨、聖ステファノの殉教などが描かれています。その壮麗さは見物で、外から差し込む神秘的な光は美しく温かい光に心が安らぎます。

見応えある美術品

大聖堂の絵

祭壇の右には1440年ごろにシュテファン・ロホナーによって描かれた彼の代表作といわれる「大聖堂の絵」が飾られています。祭壇は観音開きで、扉の裏にも絵が描かれています。

ゲロクロイツ

976年にゲロ大司教の手により作られたキリストの十字架「ゲロクロイツ」も、キリスト像の原形といわれています。

中央祭壇

中央祭壇の奥には世界最大の黄金で飾られた豪華な聖棺があり、東方三博士の頭蓋骨が入っています。三博士の聖遺物が運ばれてきた後、多くの職人によって作られたといわれています。

祭壇の右上の柱には「ミラノのマドンナ」と呼ばれる聖マリアの彫像があり、1164年に黄金の聖棺の東方三博士の聖遺物と共に、この聖堂に運ばれました。

聖クリストフォロスの彫像

人を肩に乗せて渡る仕事をしていた聖クリストフォロスが男の子(キリスト)を運ぶことになり、途中その子をとても重たく感じ杖でやっと渡り切ったという逸話が残る彫像です。旅の守護神なので、旅の安全を祈願してみては?

まとめ

ケルン大聖堂

ケルンは、ドイツで4番目の人口を有する大都市。歴史的建築物やパステルトーンの建物が立ち並ぶ素敵な街です。対岸に建つトリアングルビルの屋上展望台からは、夕陽が沈むころのライン河と聳え立つケルン大聖堂が見えます。オレンジ色に輝く壮麗なケルンの景色はとても感動的です。ぜひ、ケルンのシンボル的存在の大聖堂に訪れてみてください。

 

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