イギリスのロンドンから南西方向にある街、バース。もともとバースは英語の風呂(Bath)の語源になったともいわれる、温泉の湧く町です。紀元前から温泉リゾートとして栄えていたといわれています。
イギリス唯一の天然温泉が湧き出る、バース。1世紀には、この地を支配したローマ人が、巨大な温泉施設と神殿を建設しました。スチーム風呂やマッサージ室、水風呂なども備えた豪華な温泉施設には、ヨーロッパ中から人々が訪れ、まさに元祖温泉リゾート地だったといえます。
バースは2021年、オーストリアやイタリアなどの6か国と一緒に「ヨーロッパの大温泉保養都市群」としても世界遺産に登録されました。
「バース市街」主要スポット
淡い蜂蜜色の街並みが特徴的な「バース市街」
ローマ人が去った後、町は衰退、温泉施設も大半が土砂に埋まってしまいましたが、18世紀、再び街は温泉リゾートとして復活を遂げます。趣のある社交場や住宅などが造られ、上流階級の人々が楽しみ、くつろぐ場所となりました。
その建物群は18世紀から19世紀にかけてのジョージ王朝時代の特徴を色濃く残します。その特徴は、過剰な装飾のないシンプルさ。直線とシンメトリーの景観美を形成しました。
また、建造物はこの地方で切り出される淡い蜂蜜色のバース・ストーンが使われているため、形と色が調和した優美な街並みが誕生したのです。
ローマ浴場博物館(ローマン・バス)
ローマ浴場博物館(ローマン・バス)はバーススパ駅から徒歩で約10分にある、ローマ時代の一大温泉保養施設。西暦65年ごろに建設され、1880年に発見された遺跡です。イギリスで唯一温泉源泉が湧出するバースはローマ支配の下、温泉の町として発展しました。
バース寺院
バース市街のランドマークとして有名な寺院。676年にベネディクト派修道院として創建され、修道院からはじまり廃墟同然となった危機など様々な困難を乗り越えた複雑な過去を持つ寺院です。
ロイヤルクレッセント
ロイヤルクレッセントはのバーススパ駅より徒歩で約30分にある、三日月形の曲線が美しい集合住宅です。1767~1774年に7年もの歳月をかけて建築家ジョン=ウッド(息子)によって建てられたバースを代表するパラディオ様式の巨大建築物。
パルトニー橋
エイヴォン川に架かる三連の優雅なアーチが特徴的なパルトニー橋。1774年にバース開発の功労者の一人「ウイリアム・バルトニー」の依頼で、18世紀後半に活躍した新古典主義建築の第一人者であるロバート・アダムが設計して建てられた橋です。石造りのエレガントな橋の両側にはショップが軒を連ね、橋の上を歩いたのではここが橋の上とは思えない光景が広がっています。
ジェーン・オースティン・センター
ジェーン・オースティン・センターは日本人にも人気の作家ジェーン・オースティンの生活風景などを紹介した記念館です。1801年から約5年間バースに滞在していたころの生活振りやバースに与えた影響などが展示されオースティンファンには必見のスポットです。
アセンブリー・ルームズ・アンド・ファッション博物館
18世紀にお茶会や舞踏会、カード遊びなどに使用された集会所(アセンブリー・ルーム)。地下にあるファッション博物館には16世紀後半から現代まで約400年の衣装やアクセサリーがずらりと並び、年代別に展示されているので、その時代の流行や特徴をじっくり見学できるのがポイント高い施設です。
サーメ・バース・スパ
2006年8月7日に英国唯一の天然温泉として、英国随一の温泉地バースにオープンした伝統的な英国式スパ。2000年以上前に発見されてからずっと湧き出ている源泉をスパにひているのが特徴です。