大チョーラ朝寺院群

インドの世界遺産「大チョーラ朝寺院群」は南インドのタミルナードゥ州中南部にあり、9~13世紀にチョーラ朝の王によって建造された3つの寺院から構成されています。

これらの3つのヒンドゥー寺院は、南インドや東南アジアの寺院の模範となったインド宗教建築の原型ともいえる建造物。

優れたヒンドゥー教寺院の建物であることが評価され、1987年に「タンジャーヴールのブリハディーシュワラ寺院」が、ユネスコ世界遺産に登録されました。2004年には、「ガンガイコンダチョーラプラムのブリハディーシュワラ寺院」と「アイラーヴァテシュワラ寺院」が追加され、現在「大チョーラ朝寺院群」としてこの3つの寺院が世界遺産に登録されています。

中世の南インドの栄華を語る寺院群

中世インドのヒンドゥー教社会では、寺院は文化の中枢として首都には必ずあるものでした。王たちは領地を拡大するたびに、敗者の優れた文化を自国の寺院建立に活かし競って壮大な寺院を造ったといわれています。シヴァ神に捧げ王自身の力を保持するためにも必要だったようです。

これらの寺院が造られる以前は、伝説や神話に因んだ伝統的な聖地に作られていましたが、この頃からは王の居る首都に置かれ王権の絶対化を図るという政治的意図が見られ始めたことも歴史上大切な事柄と思われます。

ですが、大宇宙の中心にシヴァ神が君臨し、その投影である人間社会が小宇宙にあり王が君臨することを示し、儀礼を通じて王権を正当化することにより諸侯の忠誠を集中させていたものだと推測されています。

「大チョーラ朝寺院群」の3つの寺院

タンジャーヴールのブリハディーシュワラ寺院

チョーラ王ラージャラージャ1世(在位985~1016年)が建てたものです。建設当時は世界一の規模を誇っていたといわれています。ドラヴィダ様式を代表するヒンドゥー寺院として有名です。

シヴァ神を祭るブリハディーシュワラ寺院の彫刻や碑文は、王の功績や当時の社会情勢を知る貴重な資料となっています。

ガンガイコンダチョーラプラムのブリハディーシュワラ寺院

タンジャーヴールの寺院と同名の寺院です。タンジャーヴールの寺院を建立したラージャラージャ一世の息子ラージェーンドラ1世 (在位 1014~1044年)が、わずか20年で作った寺院ですが、この時代の最高傑作といわれ完成度の高いことで知られています。

アイラーヴァテシュワラ寺院

他の2つと同じくクンバーコナムから西に4kmにある小さな町ダーラースラムにある寺院です。チョーラ朝の彫刻や壁画が特に美しいことでも知られています。

インド宗教建築の原型ともいえる建造物は、インドに訪れたなら一度は見たい世界遺産です。特に、当時の王の功績や社会情勢を知るうえで貴重なものです。

大チョーラ朝寺院群のまとめ

3つの寺院の距離は離れているのでバスを使って一日で回ることは難しいですが、全て無料で見学できます。それぞれがヒンドゥー教寺院の特徴を持つとても魅力的な寺院です。寺院が置かれている街は、小さいので1日使って各寺院と街を観光してみてはいかがでしょう。

この世界遺産のデータ・地図(場所)

名称大チョーラ朝寺院群
インド
登録区分 世界文化遺産
登録年

1987年

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