シャルトル大聖堂は、フランスのパリの南西80㎞にあるシャルトルにあります。フランスにおいて最も美しいゴシック建築といわれ、アミアン大聖堂やランス大聖堂に大きな影響を与えました。
シャルトル大聖堂の歴史
シャルトル大聖堂は、元々はロマネスク様式の大聖堂として造られていました。巡礼者が多く訪れていましたが、これは、聖遺物とされている聖母マリアの「サンクタ・カミシア(聖衣)」が所蔵されているためでもありました。
1040年の火事では、大聖堂の建物や財産の多くが失われてしまいましたが、奇跡的にこのサンクタ・カミシアは無事でした。その後、フュルベール司教とジョフロワ・ド・レーヴの指揮の元、地下聖堂とロマネスク様式のバシリカが建設されました。
ところが、またしても火災が相次ぎ、西側の塔と西正面のファサード以外が焼失してしまいます。そのため、1194年から再建工事がふたたび行われ、ゴシック様式で再建されたのです。
18世紀のフランス革命下では、幸運なことに略奪を免れています。
シャルトル大聖堂の構造
シャルトル大聖堂は、上から見ると東西南北が正確な十字架形をしています。全長は130m、幅は南北32m、東西46mあります。
2つの尖塔がありますが、左右で建築様式が違います。右のものは1140年に建設され、105mの高さがあります。左の物は16世紀に建てられたもので、高さは113m、ゴシック・フランボワイアン様式です。
火事を逃れて残っている西正面の扉は「王の扉口」と呼ばれ、預言者や聖人、キリストの生涯の彫刻が並んでおり、ロマネスク彫刻の傑作といわれています。
ステンドグラス
シャルトル大聖堂の内部は、173のステンドグラスで飾られています。この総面積は2000㎡にも及ぶそうです。フランス王家の紋章である黄色い百合の意匠や、「シャルトル・ブルー」と呼ばれる鮮やかな青が特徴です。
西側のステンドグラスは「最後の審判」を表しています。他にも、旧約聖書や新約聖書をモチーフにしたものなどがあり、文字を読むことができない人たちに聖書の世界観を伝えました。
やはりステンドグラスの美しさが際立ちますね。シャルトル・ブルーを堪能し、2つの尖塔の違いをぜひ見比べてみてください。
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