チャンキーヨの天文考古学遺産群

基本情報
名称 チャンキーヨの天文考古学遺産群
ペルー
登録区分 世界文化遺産
登録年

2020年

2021年に開催延期された第44回世界遺産委員会拡大会合において、ペルーの「チャンキーヨの天文考古学遺産群」が世界文化遺産として登録されました。

チャンキーヨ遺跡は、ペルー中北部沿岸のカスマ渓谷にある先史時代の遺跡(紀元前250年〜200年)で、砂漠地帯に建てられた一連の建造物は、自然の特徴とともに、太陽を使って年間を通して日付を決める暦の道具として機能しました。

チャンキーヨの天文考古学遺産群

この遺跡は、大きく分けて以下の主要な要素から構成されています。

  • 十三の塔
    丘の尾根に沿って南北に13個の立方体の塔がずらりと一直線に並んでいます。太陽が昇る・沈む位置を塔と塔の隙間と照らし合わせることで、正確な日付を読み取っていました。
  • 東と西の観測所
    「十三の塔」を挟むように配置された2つの建物です。ここから塔を眺めることで、1年を通じた太陽の日の出・日の入りの軌道を正確に観察できるよう計算されています。
  • 城塞神殿
    三重の城壁に囲まれた丘の上の大型複合施設で、太陽信仰に基づく儀式などが行われていたと考えられています。
  • 行政センター・その他の施設
    儀式の準備や人々の活動拠点として使われていた建物群です。
  • ムチョ・マロ山
    十三の塔の背景に位置し、観測の視点・目印(自然のマーカー)として利用された山です。



チャンキーヨ紀元前3世紀頃に利用された後、破壊されて放棄されたため、実際に機能していた期間は比較的短かったと考えられています。しかし、ここで確立された高度な天文学の技術は、その後の南米大陸における天体観測や太陽信仰の原点となりました。

南米の古代文明といえば、15世紀〜16世紀に栄えたインカ帝国や、標高約2,430mの山の上に築かれた空中都市マチュピチュがよく知られています。マチュピチュにも太陽の石(インティワタナ)など太陽観測に関わる遺構が存在しますが、チャンキーヨはそれよりも1,500年以上も前の時代に、すでに完璧な年間太陽カレンダーを作り上げていたことになります。

古代の人々にとって、太陽の動きを知ることは単なる天文学ではなく、農作業の時期(種まきや収穫)を把握し、生命の恵みである太陽を祀るという、生きるために不可欠な営みでした。砂漠の地平線に並ぶ13の塔の向こうから太陽が昇る瞬間、紀元前の人々は現代の私たちと同じように季節の移り変わりを感じ取り、日々の時を刻んでいたのかもしれません。

この世界遺産のデータ・地図(場所)

名称チャンキーヨの天文考古学遺産群
ペルー
登録区分 世界文化遺産
登録年

2020年

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