カサス・グランデスのパキメ遺跡地帯
カサス・グランデスはメキシコのアメリカとの国境近くの砂漠地帯で、パキメ遺跡は他のメキシコの世界遺産とは異なった趣を持っています。14世紀頃に最盛期を迎えたとされる遺跡は、北と南の先住民たちが交流し合った商業都市として大いに栄えました。
パキメ遺跡はまるで巨大な迷路のような姿ですが、これは壁だけが残った町の遺構です。交易の要衝として栄えた町は、敵の襲来から守るために複雑な造りの集合住宅になったと考えられます。
その住宅には水道設備が完備しており、離れた温泉から各家に水路が引かれてセントラル・ヒーティングの設備もあったと思われます。
豊かだった町の遺跡からの出土品を見ると、はるか遠方からの品物や文化がここに持ち込まれていたことが分ります。出土品からは、南のグアテマラから運ばれたコンゴウインコが大切に飼われていた跡が見つかりました。