カールズバッド洞窟群国立公園

アメリカの世界遺産「カールズバッド洞窟群国立公園」は、ニューメキシコ州エディ郡南西角のグアダルーペ山脈に位置する国立公園。 二畳紀の化石礁のあるカールズバッド洞窟と多数の他の洞窟を保存するために設立されました。

カールズバッド洞窟

公園には83の洞窟があり、そのメインとなるのがカールズバッド洞窟。世界有数の大きさの地下室と無数の二次生成物をもつカールズバッド洞窟は、ガイドなしで自分で見て回ることも、1年中行われているパーク・レンジャーが案内する様々なツアーを利用することもできます。

カールズバッド洞窟の誕生は、2.5億年前に長さ600キロメートルの内海が生まれ、礁ができたことに始まり、 馬蹄形に広がったこの礁には、海綿、藻、貝殻の遺骸が大量に堆積し、また海水中からも方解石が沈殿して、厚い石灰岩の地層ができました。

200万~300万年前にこの地域は隆起し、侵食によって化石礁をつくる石灰岩体が地表に露出するようになり、 空気中と土壌中に含まれる二酸化炭素によって弱酸性になった雨水が、石灰岩の裂け目にしみ込み、ゆっくりと石灰岩を溶かし、巨大な地下空間を形成する過程が始まったとされています。

 ナチュラル・エントランス

ぽっかりと開いた穴に向かってくねくねとスイッチバックの急勾配のトレイルを歩いて下って行きます。ここは個人で入れる鍾乳洞の入口になります。ここから約2キロのトレイルを下り地下約230メートル下まで降りて行きます。

 ビッグルーム

個人で入ることができる、最も人気がある洞窟部屋です。とても巨大なもので、天井の高さは約80メートル、アメリカンフットボール場が14面入ると言われています。約2キロのトレイルがあり、見て回るのに約1時間半かかります。

 キングス・パレス

カールズバッド洞窟を巡るツアーで最も人気があるのがキングス・パレス・ツアー。国立公園のレンジャーが案内してくれるガイドツアーで約1.5時間のツアーです。

コウモリの飛翔

5月最終月曜日のアメリカのメモリアル・デイから10月中旬の週末まで、毎日夕刻洞窟から飛び立つコウモリが見られます。悪天候の場合は中止になることがありますが、予約なしで無料で見学することができます。ただしこのプログラムではコウモリに影響を与えないよう、写真撮影を含むすべての電子機器の使用が禁止されていますので注意が必要です。

メキシカン・オヒキコウモリ

ここに棲むコウモリはメキシカン・オヒキコウモリと呼ばれる種類でおよそ100万匹もいると言われています。日中は安全で涼しい洞窟の中で過ごし、夕方日が暮れると一斉にエサを求めて洞窟から飛び出します。その様はまるで黒い竜のごとく、形を変えながら飛んでいく様は圧巻です。

また早朝4時から6時頃コウモリたちが洞窟へ戻ってくる様子が見られます。次々と洞窟の中にダイブしていく光景も迫力があります。

通常このコウモリは10月下旬から11月にかけて南へ渡り、冬の間はそこで過ごし、4月から5月にかけて戻って来ます。初夏が子育てシーズンで8月、9月頃に子供たちも一緒に飛び立つようになります。

昼は鍾乳洞を探検し、夕方はこのコウモリのデモンストレーション。1日をかけてゆっくり観光が楽しめます。

 スローター・キャニオン・ケイブ

【世界遺産】カールズバッド洞窟群国立公園

photo credit: DSC05941.JPG via photopin (license)

スローター・キャニオン・ケイブは観光の中心のビジターセンターやビッグルームがあるカールズバッド洞窟エリアとは離れた場所にあります。この鍾乳洞内は暗闇の中滑りやすく、狭い場所を抜けたりと、アドベンチャー感たっぷりの体験ができます。

 レチュギア・ケイブ

【世界遺産】カールズバッド洞窟群国立公園

photo credit: Lechuguilla via photopin (license)

公園内にある83の洞窟の1つがレチュギア・ケイブ。発見当初は取るに足らない洞窟と思われていたレチュギア・ケイブですが、近年、全米で最も最深の巨大な洞窟であることがわかりました。深さは約489メートルあり、現在わかっているだけで218キロもの長さがあり、まだまだ調査中です。

この世界遺産のデータ・地図(場所)

名称カールズバッド洞窟群国立公園
アメリカ
登録区分 世界自然遺産
登録年

1995年

キーワード

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