カセレス旧市街
カセレス旧市街はスペインの世界遺産で、城壁に囲まれた狭い敷地に中世都市の街並みが残っています。長期にわたるレコンキスタ(国土回復運動)の末、1229年にはキリスト教国レオン王国がカセレスを支配しました。
そして、14世紀に地中海貿易が盛んになると、カセレスは南方からの物資を北方やポルトガルに運ぶ中継地点となり、自由交易の地として栄えました。
交易で裕福になった貴族たちの間では、対立が絶えず、館を要塞化して、邸宅脇に防衛のために射眼付き監視塔を建てました。旧市街には、この時代に建てられたゴシック様式の館が多く残っています。
貴族の権力の象徴でもあった射眼はカトリック両王の命で外されましたが、王に忠誠を誓った者に与えられた特権により、シグエーニャス家の塔だけは破壊されずにすみ、今も残っています。
カセレスが本格的に繁栄したのは、新大陸発見後です。セビーリャが新大陸交易の拠点となると、カセレスは中継地点として発展し、新大陸から大量の金銀が持ち込まれました。