| 名称 | バジ・ビムの文化的景観 |
|---|---|
| 国 |
オーストラリア |
| 登録区分 | 世界文化遺産 |
| 登録年 |
2019年アゼルバイジャンの首都バクーで開催された第43回世界遺産委員会において、オーストラリア・ビクトリア州の「バジ・ビムの文化的景観」が世界文化遺産として登録されました。
バジ・ビムの文化的景観

「バジ・ビムの文化的景観」は、先住民族ガンディッチマラの人々が数千年にわたって築き上げてきた広大な水産養殖施設(アクアカルチャー)の跡地です。この地域は火山活動によってできた溶岩流の地形を活用してつくられており、世界的にも最古級の巨大な水産養殖システムとして評価されています。
「バジ・ビムの文化的景観」の注目ポイント

主要な構成資産や特徴的な要素は以下の通りです。
- タエ・ラク(コンダ湖)
1950年代に一度排水されましたが、2010年に伝統的な堰(水止め)が再建されたことでかつての水流が復活した主要な湖です。 - タイレンダラ
石造りの流路や仕掛けが良好な状態で保存されており、かつての仕掛けの構造がよく観察できるエリアです。 - カートニッチ
溶岩流の地形を活かした水路や池が網の目のように張り巡らされた養殖遺構が集まる地域です。 - バジ・ビム(火山)
ガンディッチマラの人々にとっての祖霊の存在であり、養殖システムの基盤となった溶岩流を供給した休火山です。
ガンディッチマラの人々は、火山の噴火によって広がった玄武岩の岩石を利用して水路、堰、ダム、池などを構築しました。これらは季節ごとに回游してくるクーヤン(ショートフィン・イール:ミナミウナギの一種)を効率よく捕獲・貯蔵・育成するための仕組みです。考古学的には少なくとも約6,600年前(日本でいう縄文時代の中期よりも古い時代)からこのシステムが稼働していたことが分かっており、先住民族の高度な土木技術と水産管理の知恵を現代に伝えています。
オーストラリアには、先住民族の豊かな文化と歴史を伝える世界遺産がほかにも存在します。たとえば、同じく先住民族の聖地として知られるウルル=カタ・ジュタ国立公園や、数万年前の岩絵と豊かな湿地帯が広がるカカドゥ国立公園などが挙げられます。これらが主に巨大な一枚岩の景観や壮大な壁画、手つかずの自然環境で知られるのに対し、ブジ・ビムは「先住民族の手による最古級の土木・建築遺構」という独自の位置づけを持っています。
