ブルージュ歴史地区は、現在のベルギーの都市ブルージュにあります。ブルージュはフランス語ですが、オランダ語で「ブルッヘ(=橋)」とも呼ばれます。2000年、世界遺産に登録されました。
ブルージュ歴史地区の中には他にも、「フランドル地方のベギン会修道院」と「ベルギーとフランスの鐘楼群」という2つの世界遺産の一部があります。 一度に3つの世界遺産が楽しめます。
「ブルージュ歴史地区」主要スポット
ブルージュ歴史地区の歩み
古都ブルージュは、9世紀頃から運河により北海と連絡し、交易都市として発展始めました。
13~14世紀にはハンザ同盟の中心都市として、毛織物業などで繁栄をきわめます。しかし、15世紀後半になると、運河が土砂で埋まり、港が用をなさなくなったために急速に衰退してしまいました。
しかしこのことは後のメリットをもたらします。中世の街並みがそのまま残され、市街を縦横に走る運河や赤レンガの家々が立ち並ぶ光景は、「天井のない美術館」「北のヴェネツィア」と称賛されるようになるのです。
19世紀末のベルギーの作家ジョルジュ・ローデンバックの「死都ブルージュ」が発表されると、ブルージュの古い街並みが脚光を浴び、観光都市として復活を遂げました。
また、フランドル派の画家を生み出した芸術の中心地としても知られており、メムリンクやヤン・ファン・エイクの名前が挙げられます。
ブルージュ歴史地区の見どころ
中世の街並みが残されたブルージュ歴史地区には、同じように中世の趣を残した建築物が多く存在します。
聖母大聖堂
122mの高さの尖塔は、ヨーロッパで最も高いレンガ建築です。
ここにはミケランジェロの「聖母子像」があることでも知られています。彼の彫刻作品がイタリア国外に持ち出されるのは、非常に稀なケースでした。
また、シャルル突進公とその娘マリーの棺が安置されています。
聖血礼拝堂
12世紀の第2回十字軍においてフランドル公が持ち帰ったという聖血(キリストの血)が収められています。春の昇天祭において、聖血が入った箱を掲げて歩く「聖血の行進」は、ブルージュで最大のイベントです。
聖サルバトーレ大聖堂(救世主大聖堂)
ブルージュ最古の教会である聖サルバトーレ大聖堂は、壮大なゴシック様式の外観が見事な大聖堂です。起源は10世紀ですが、建物のほとんどは12~13世紀に建てられたものです。
マルクト広場
歴史地区の中心に位置するマルクト広場には、ハンザ商人が建てたギルドハウスが残されています。
ブルージュの鐘楼
マルクト広場にあるのブルージュの鐘楼(高さ83m)は、「ベルギーとフランスの鐘楼群」としても世界遺産に登録されています。鐘楼は、中世フラマンの人々が「自由と権力のシンボル」として建てられたもので、13世紀から基礎部分の建設が始まり、完成したのは15世紀のことでした。高さ83mを誇る鐘楼には、47個のカリヨン(組み鐘)があり、ヨーロッパでも音色の美しさで有名です
ベギン会修道院
この修道院は、「フランドル地方のベギン会修道院」としても世界遺産に登録されています。ベギン会は、女性の自立支援のために設立された女子修道会でした。ブルージュのベギン会修道院は、1245年フランドル伯爵夫人によって創設されました。森の木々に囲まれた自然豊かな場所にあり、建物の白壁が映え大変美しいところです。しかし、一歩中に入ると空気は一変し、神の領域に入ったような印象を受け、また周囲をレンガの壁で囲まれた中庭なども相まって、外界と隔絶された印象を受けます。
ベルギーといえば、やはりチョコレート!ブルージュにもたくさんのチョコレートショップがあります。歴史地区を歩き回りながら、チョコレートでエネルギーチャージするのもいいですね。