ブルノのトゥーゲントハット邸
トゥーゲントハット邸は、1928年から1930年にかけてチェコスロバキアのブルノに建てられた邸宅です。20世紀初頭のモダン・ムーブメントによる近代建築が多くチェコ第2の都市ブルノにおいても、ミース・ファン・デル・ローエ設計によるトゥーゲントハット邸は特別な存在です。
1930年に完成した個人住宅で、そのデザインと建築思想はモダニズムの礎となり、現代の建築設計に大きな影響を与えています。80年前に作られたこの家は、壁全体がガラス窓という斬新なものでした。家の外と中の区別がない部屋には、陽の光が存分に注ぎます。
メインフロアには壁がなく、連続する一つの空間となっています。仕切りと家具によって各スペースに部屋としての機能が与えられ、多面的な性格を持つ大きな空間として設計されたのです。
ミースは斬新な発想で、人が自由に行き来できる新しい時代の生活空間を提案したのです。電動で開閉する窓や冷暖房のエアコン装置といった当時では初めての設備が備えられ、快適な暮らしができるように設計されました。
ここは、ブルノのトゥーゲントハット邸という名でチェコの世界遺産に登録されました。