フランスの世界遺産ブールジュ大聖堂は、パリから南へ200km、フランスのほぼ中央に位置し、古代ローマの昔からこの地方一帯のキリスト教の拠点として栄えた街ブールジュにあります。
「フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」の一部としても世界遺産に登録されています。シャルトル大聖堂やランス大聖堂、パリのノートルダム大聖堂と並ぶ、ゴシック建築の傑作のひとつです。
ブールジュ大聖堂とは?
ブールジュ大聖堂は正式名称を「サン=テチエンヌ大聖堂」といい、12世紀末から13世紀にかけて建設された司教座聖堂です。
ブールジュは、古代ローマ時代にはアワクリウムという都市で、ここにはガリア発のキリスト教団ができたことでも有名です。
12世紀末にロマネスク様式であった聖堂をゴシック式の大聖堂に改修したことが、建設の始まりでした。身廊やファサードを整えましたが、14世紀初頭には南の塔が傾いてしまい、補強工事を余儀なくされます。やがて北の塔が完成しますが、1506年に早くも崩壊してしまいます。そのため、以後はルネサンス様式を取り入れて再建することになりました。
1562年のユグノー戦争時には、ブールジュがプロテスタント勢力の手に落ちてしまったため、カトリックのこの大聖堂は大きな被害を受けました。
19世紀にはゴシック様式の尖塔が設置され、現在の姿に至ります。
このように様々な時代に様々な修復工事を重ねたため、建築様式が入り混じった姿となりました。
ブールジュ大聖堂の外装・内装
ブールジュ大聖堂は、奥行き124m、幅41mの大規模な聖堂です。5つの正面入り口があり、西面のものは高さが40mで、これはフランスのゴシック建築で最大のものだそうです。中央の入口には「最後の審判」が彫られており、13世紀ゴシック彫刻の傑作と呼ばれています。
内部に翼廊はなく、側廊が二重になっています。中世のステンドグラスを多く有しており、このほとんどは特定の3ヶ所の工房に発注し造らせたものでした。キリストの受難や聖人たちがテーマとなっており、赤色が特に鮮やかです。文豪スタンダールやバルザックはこの美しさを称賛していました。
バルザックは、「ブールジュの大聖堂はパリ全部より価値がある」と言ったそうです。文豪にそこまでいわせる大聖堂の美しさを堪能しに行くのはいかがでしょうか。