ブレナム宮殿



1987年に世界遺産に登録された、オックスフォード郊外のウッドストックにあるブレナム宮殿。イギリスを代表するバロック様式の宮殿です。

スペイン継承戦争の1704年に将軍ジョン・チャーチルが宿敵フランス軍を破った功績を讃えてアン王女から贈呈されました。戦場となったブレンハイム(英語名ブレナム)より宮殿の名前が付けられました。

その後チャーチル家の居城となり、1873年に首相ウィストン・チャーチルが誕生した場所としても知らてれています(叔父の家で誕生)。チャーチル首相の生まれた部屋や英国の公爵の華やかな生活ぶりを垣間見ることができ飾られる調度品も豪華で見応えがあります。

王族でない者が所有する宮殿は、ブレナム宮殿のみで、ヨーロッパ中世に作られた宮殿の中でも3本の指に入るほど壮麗といわれています。

華美なバロック式の宮殿「ブレナム宮殿」

アン王女のご褒美は宮殿ではなく、実際は土地と宮殿の建設費用£24万が与えられました。1705年から建築家サー・ジョン・バンブラによって建設が始まった宮殿は、バロック様式で建てられとても豪華です。

驚くことにその広さは王室関連の館を除くと英国最大の大豪邸で、完成までには約20年の歳月がかかりました。

イギリスではこれまでシンプルで直線的なジョージアン様式が多用されていました。この宮殿には外に彫刻が施されるなど華麗で曲線やねじれた柱が使用され、宮殿内は豪華に装飾されています。庭園はイギリス式なので宮殿とのアンバランス景観も見どころです。

ブレナム宮殿 外観

バロック式の豪華な建物にはオックスフォード近辺で採れた淡いクリーム色のライムストーンが使用されて作られています。荘厳な雰囲気の中にも穏やかで温かみを感じます。

 ブレナム宮殿の門

防御用の要塞として建てられた宮殿への入場ゲートの東門。ユニオンジャックが掲げられる東門の上部には、第9代マールボロ公の碑文があり門扉にはマールボロ公爵家の紋章が飾られています。

ブレナム宮殿の時計塔

先へ進むと大きな時計台に辿り着きます。アーチの左右にはフランスの雄鶏を襲う2対のイングランドの獅子の彫像が設置され、東門と共にどっしりと重厚感を感じる門となっています。その門をくぐると宮殿にでます。

ブレナム宮殿

時計塔は門として紹介しましたが実際は宮殿の一部となっています。宮殿中心の建物から北庭を囲むように両翼の建物が建てられ壮大な雰囲気が広がっています。

 

ファサードにはコリント式の柱とその上にはペディメントがあり、その中には門扉と同じくマールボロ公爵家紋章と2頭のグリフォンと盾が刻まれ見事です。更にその上には英国の守り神のブリタニアの像が建っています。宮殿の大きさはもとより、装飾される彫刻や彫像などはとても美しく圧巻です。

 

photo credit: IMG_0233 via photopin (license)

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正面玄関前の階段の両側には大砲が鎮座しています。

華やかに彩られたブレナム宮殿内部

壮大な宮殿には200以上の部屋があります。絵画やマイセンなどの陶磁器、豪華な調度品が飾られ、フランスから取り寄せた高級家具もたくさん設置され魅力的です。寝室や食堂、図書館など一部がツアーで公開されていますが撮影は禁止となっています。壁も大理石や漆喰で造られフレスコ画やタペストリーで装飾されとても華やかです。

グレート・ホール(玄関)

扉はオーク材で、鍵はポーランドにあるワルシャワ門を模して真鍮で造られています。高さ約20mある天井にはブレナムの戦いの天井画が描かれています。壁紙まで金箔が散りばめられラグジュアリーな雰囲気です。

大広間

現在も使用されるかつての来客用ダイニングルームです。入口のアーチ部分には初代公爵の紋章があり、黒い双頭の鷲が描かれています。テーブルはビクトリア王朝時代の物で40人もの人が座ることができます。

大広間と図書室の間にはステートルームが3つあり、美しい装飾や肖像画の部屋、来客用の寝室があります。貴族の館を象徴する図書室は長さ56m、高さ10mある長く大きな部屋です。約1万冊もの蔵書があり、公爵家の肖像画や写真、スペンサー家の一員である故ダイアナ妃の写真も飾られています。

礼拝堂

1732年に完成した大理石が配された礼拝堂。初代公爵夫婦と若くして亡くなった2人の息子のモニュメントや1891年にパイプオルガンが設置されています。パイプオルガンは2300本ものパイプを持ち天使の彫刻などが施され壮麗です。ここには1965年に亡くなったチャーチル首相も埋葬されているそうです。

客間

歴代の肖像画が飾られた女性が寛ぐ緑の間や男性用の赤の間があります。赤の間のタペストリーには第4代と第9代の公爵一家の肖像画が織り込まれとても壮麗です。また暖炉の横には執事を呼ぶためのハンドルがあり、ハンドルを回すと鐘が鳴る仕掛けなども公開されています。こちらにもブレナム戦争の様子が織り込まれたタペストリーが飾られています。

書斎

かつてはダイニングルームとしても使われていた緑の書斎には、モールボロー公爵家の紋章が入った手織りのタペストリーがあります。当時は最高級といわれたベルギー産で1週間に10cmしか作れず、製作時間8年と気の遠くなるような年月をかけて造られています。

他にも、チャーチル首相に関する展示ホールや5歳の頃のカールヘアーが飾られた彼が生まれた部屋、多くの磁器が飾られた控えの間など魅力的な部屋がたくさんあります。

 ブレナム宮殿庭園

ブレナム宮殿庭園は有名な庭師ヘンリー・ワイズによって17年の歳月をかけて造られた庭園。2000エーカーの広大なランドスケープはイギリスで最大級の大きさを誇っています。子どもが喜ぶアトラクションや四季折々の花々が咲き誇る庭園には色々な種類があり、それぞれ個性的で1日いても回りきれないほどです。

まとめ

贅の限りを尽くして造られた、かつてのフランスを破ったイギリスの英雄の館はため息が出るほど美しい宮殿です。お城を思わせる仕掛けが所々にあり、チャーチル首相の軌跡も見学できます。また、カフェも数ヶ所ありショップも品揃えが充実しています。

ご紹介したブレナム宮殿は豪華絢爛で素敵ですが、季節によって様々な花が咲き乱れる庭園もじっくり堪能したいスポットです。庭園には様々なアトラクションがあり一日では足りないくらい見どころが多くオススメです。

 

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