「イエス生誕の地 : ベツレヘムの聖誕教会と巡礼路」はパレスチナにある世界遺産です。初期キリスト教会の特徴を残す『聖誕教会』に加え、この巡礼の最終目的地に向かうための巡礼路と鐘楼、ひな壇式庭園、ラテン・ギリシア正教・フランシスコ会・アルメニア教会の女子修道院や教会群なども指定対象になっています。
現在でも年間約2万人の巡礼者・観光客が訪れる場所であり、2011年10月にユネスコへの加盟が承認されたパレスチナ自治政府が世界遺産に申請。これに対してイスラエルが反対動議を提出したが却下され、アメリカは調査不十分という理由で反対しましたが、登録が認められ、パレスチナ初の世界遺産となりました。
パレスチナ・イスラエル抗争などによって教会の維持・補修が進まない状況から、世界遺産登録と同時に危機遺産リストにも記載されました。
ベツレヘムの聖誕教会
イエスが処刑されたエルサレム旧市街のゴルゴダの丘から約10kmの位置にある聖誕教会は、2世紀以降、イエスの生誕地と考えられてきた地に建てられました。
聖誕教会の入り口はとても小さく、この入り口の付近に2000年前には、馬小屋として使われた洞窟があり、ここでイエスは誕生したと言われています。現在は、教会の祭壇があり、その下に記されたベツレヘムの星がイエスの生誕地であることを示しています。
危機遺産リストから除外へ
2012年から危機遺産に登録されていましたが、2019年の第43回世界遺産委員会においてリストから除外されました。