イスラエルの世界遺産「聖書ゆかりの遺丘群-メギド、ハツォル、ベエル・シェバ」では、同国各地にある200ほど残る遺丘(テル)の中でも特に代表的で、旧約聖書にも登場する3つの丘(テル)が対象となっています。
これらは単に旧約聖書で言及されているということだけではなく、古代の水利施設の遺構や、近隣諸地域の建築様式の影響が見られる建造物跡など、青銅器時代から鉄器時代にかけての都市や文化交流の様子を伝えていることも評価されています。
複数の時代の遺跡が層状に幾重にも重なっており、メギドにいたっては主要な層が20層あり、約30の都市遺跡が積み重なった非常にユニークな遺跡となっています。またこれらは西アフリカ特有の日干しレンガが堆積した丘となっています。
メギド
メギドは交通の要衝にあり、軍事的な戦略拠点として、戦火が絶えることがなかった土地です。古代から多くの戦いが繰り返され、破壊された町の上に新しい町が建設されて丘(テル)のようになっているため、「テル・メギド」と呼ばれています。
ハツォル
ハツォルはイスラエルの遺丘群の中でも最大の広さのもので、21層あります。エジプトとメソポタミアを結ぶ道筋にあり、肥沃な土地と豊かな水があったため古代から発展しました。
ベエル・シェバ
ベエル・シェバはメゲブ砂漠の北にあり、古代イスラエルの最南端の町でした。紀元前12世紀頃からイスラエル人が集落を作って住み始め、町は戦いのため崩壊・と再建を繰り返し15層のテル(遺丘)となっています。