バイロイト辺境伯歌劇場
バイロイト辺境伯歌劇場は18世紀にドイツ・バイエルン州の都市バイロイトに建てられたバロック様式の歌劇場からなる世界遺産です。現存するヨーロッパ最古の歌劇場というだけでなく、内装も含めて建築当時のままの姿で保存状態よく残されている、極めて貴重な建物であるといえるでしょう。
バイロイト辺境伯歌劇場はバイロイトに繁栄をもたらしたブランデンブルク・バイロイト辺境伯フリードリヒの妃であるヴィルヘルミーネの希望で建てられた歌劇場。プロイセンのフリードリヒ大王の姉でもあるヴィルヘルミーネは音楽を愛し、5年もの歳月をかけて建設された絢爛豪華なこの歌劇場は、「ヨーロッパで最も美しいバロック劇場のひとつ」と称されました。
その華麗さは自作オペラ『ニーベルングの指環』を上演する歌劇場を探していたリヒャルト・ワーグナーの目に留まり、ワーグナーは妻のコジマとともにバイロイト辺境伯歌劇場を訪問したことをきっかけにバイロイトに腰を落ち着けて、この地にバイロイト祝祭劇場が作られました。
バイロイトはワーグナーファンの聖地として現在も賑わい、500席の観客席をもつバイロイト辺境伯歌劇場も、270年前の音響効果をそのまま体験できる現役の歌劇場として音楽ファンに愛されています。