バールベック

バールベック

バールベックとは、レバノンの東部、ベイルートの北東約85km、ベカー高原の中央にあるローマ帝国時代の古代遺跡のことです。バールベックとは「ベカー高原の主神」を意味していて、ここにフェニキアの天空神ハダド(バアル)が祀られていた事に由来するといわれ、本来はフェニキア系の神々の聖地だったと考えられています。

しかし後にギリシア・ローマ系の神々と習合し、ローマの最高神ユピテル(ジュピター)と先住民の神ハダドを習合した神殿の建設が始まりました。祭神はジュピター・ヴィーナス・バッカスと呼ばれるようになり、遺跡はこれら三神をそれぞれ祀る三つの神殿から構成されています。
この3つの神殿とは、

  • バッカス神殿
  • ジュピター神殿
  • ヴィーナス神殿

で、世界でも有数のローマ神殿跡と言われています。コンスタンティヌス帝がキリスト教を国教と定めた後は神殿の破壊が進み、キリスト教の教会へと役割が変わったと考えられています。

バールベックは、ヨルダンのペトラ遺跡シリアのパルミラ遺跡とともに中東三大遺跡の一つに数えられています。

この世界遺産のデータ・地図(場所)

名称バールベック
レバノン
登録区分 世界文化遺産
登録年

1984年

キーワード

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