オーギュスト・ペレによって再建された都市ル・アーヴル
「オーギュスト・ペレによって再建された都市ル・アーヴル」は、フランスの北部の港湾都市ル・アーヴルの中心街地の都市景観からなる世界遺産です。ル・アーヴルは第二次世界大戦においてヨーロッパで最大級の被害を受けた都市。
1944年の空爆でル・アーヴルの街並みの大半は80,000人以上の犠牲者とともに失われましたが、戦争終結後に建築家オーギュスト・ペレによる都市再建計画が始まり、20年の歳月をかけてル・アーヴルはコンクリート造りの新しい建築群を持つ近代都市に生まれ変わりました。
ベルギー出身の建築家で、「コンクリートの父」という異名をもつオーギュスト・ペレが重んじたのは新旧建築物の統一性。大戦終結後に古くからの街並みを復旧した都市が多いフランスの中で、ペレは敢えて全ての都市計画を近代的に作り替えるとともに、戦禍を逃れた建築物を新しいものとうまく融合させて再建することにより、ヨーロッパに新たな美的価値観をもたらしたのです。