イランのアルメニア人修道院建造物群
イランには、イスラム圏には珍しい、アルメニア人修道院建造物群があり、2008年、世界遺産に登録されています。西アーザルバーイジャーン州の聖タデウス修道院、東アーザルバーイジャーン州の聖ステファノス修道院、生神女マリア聖堂から構成されています。
イランの北西部、トルコとの国境付近の古代のアルメニア地域は、古くからキリスト教が浸透し、アルメニアは、AD301年、正式に国教としてキリスト教を定めています。なんとあのローマ帝国より前なのです。そうした歴史的背景で、イラン北西部に、アルメニア人のキリスト教関係の建造物があるのです。
2本の尖塔が特徴的で重厚な雰囲気を漂わせる、聖タデウス修道院は、この地域にキリスト教を広めた、十二使徒のタダイを讃えて造られました。黒い石が建築に用いれたことから、「黒の教会(ガラ・ケリーター)」とも呼ばれます。
19世紀に建造された「白の教会」と内部は繋がっていて、聖堂は、「黒の教会」のほうにあります。1319年、この地域は、大地震にみまわれたことにより、残念ながら破壊されてしまった部分もあります。現在の修道院のほとんどは、19世紀に修復されています。