「アルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群」は、「ガリアのローマ」と呼ばれるフランス南部のプロヴァンス地方の都市アルルに残されている、ローマ帝国属州時代建造されたローマ劇場や城壁などの遺跡群と、中世において巡礼者でにぎわったロマネスク期の教会からなる世界遺産です。
アルルのローマ遺跡
古代ローマ時代にアルルはプロヴァンス屈指の大都市として繁栄し、約2万6000人の観客を収容できるローマ劇場や、戦車競走や剣闘士の試合を開催して観客をわかせた円形劇場、ローマ城壁などの史跡からは、当時の繁栄の姿がうかがわれます。
ルーブル美術館に展示されているビーナス像や共和国広場にたつローマ時代のオベリスクなど多くの美術品もこの地で発見されており、学術的価値の高い都市であると言えます。
アルルのロマネスク様式建造物
サン=トロフィム教会
中世にはサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路のうち、南仏を通るトゥールーズの道の始点となって多くの巡礼者で賑わいをみせ、正面入り口のポルタイユや回廊の柱がロマネスク期の華麗な彫刻で飾られた、サン=トロフィム教会などの宗教的建造物が建立されました。
このアルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群は、「フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」の一部としても登録されています。