2016年トルコ・イスタンブルで開催された第40回世界遺産委員会において、ギリシャが推薦していた「ピリッポイの古代遺跡」が、世界文化遺産に登録されました。
ピリッポイの古代遺跡
ギリシャ北東部フィリッピの町にあるピリッポイ(フィッリピの古代名)の古代遺跡は、マケドニア王アレキサンダー大王の父ピリッポス2世によって紀元前356年に創建された城郭都市です。
ピリッポイは、ローマとビザンティンを結ぶエグナティア街道上に位置していたため、ヨーロッパとアジアを繋ぐ重要な要塞として発展し、劇場や寺院、広場などが建設されました。またピリッポイは、ローマ時代に、カエサルを暗殺したブルータス、カッシウスの連合軍VSオクタウィアヌス、アントニウスの連合軍が戦った「フィリッピの戦い」が起こった場所でもあります。
ピリッポイは、パウロがキリスト教を伝導した場所であり、ヨーロッパで初めてキリスト教教会が設立された場所でもあります。遺跡内には、初期キリスト教時代に建設されたバシリカが残っており、敷石のモザイク碑文から「パウロ聖堂」と呼ばれています。
ピリッポイの古代遺跡は、古代ローマの遺跡と初期キリスト教遺跡の両面から評価された貴重な遺跡です。