2016年トルコ・イスタンブルで開催された第40回世界遺産委員会において、トルコが推薦していた「アニの考古遺跡」が世界文化遺産として新規登録されました。
アニの考古遺跡
アニの考古遺跡は、トルコ北東部、アルメニアとの国境近くにあります。アニは、古代よりシルクロードの要塞として、また10世紀頃にはアルメニア王国バグラト朝の首都として繁栄しました。
アルメニア王国は、世界で初めてキリスト教徒を国教化した国で、アニは、アルメニア教会の中心地として、1000以上もの教会があったといわれています。
場所柄キリスト教の大国ビザンツ帝国やイスラム教のアッパース朝やセルジューク朝などの侵略をうけたため、アニではキリスト教、イスラム教両宗教の影響を受けた文化や歴代の支配者たちが好んだ建築物や芸術などの痕跡が多く残っています。
アニは、10世紀頃最盛期を迎えますが、その後地震やモンゴルの侵略を受けて衰退します。
現在アニは、キリスト教とイスラム教の文化が融合する場所であり、文化の多様化を象徴する場所として高い評価を得ています。