アランフエスの文化的景観はスペイン中央のマドリード州南部に位置する都市、アランフエスにある、スペイン王室の宮殿や庭園などの歴史的建造物からなる世界遺産です。タホ川に沿って広がりハラマ川との合流点があるアランフエスは、首都マドリードとも近く、古くからの文化・経済の要衝都市。
アランフエス王宮
16世紀にフェリペ2世の命で建設がはじめられたアランフエスの王宮は、約200年後のフェルナンド6世の治世に完成し、その豪奢な宮殿は、スペイン王室の豊かさと権威を広くヨーロッパ世界に知らしめました。王宮からタホ川に沿って広がる庭園は、自然豊かな森や庭から構成され、多くの泉や像で飾られている美しいもの。
アランフエスの王宮庭園
アランフエス王宮には、正面に「パルテレ庭園」、北側に「島の庭園」、東に「王子の庭園」があります。タホ川に沿って美しい景観が広がり、3つの緑豊かなヨーロッパ式の庭園は新古典様式の王宮と共に、「アランフエスの文化的景観」最大の見どころとなっています。
農夫の家
アランフエス王宮庭園の1つ「王子の庭園」の東の端にある、農夫が所有していた土地に建てられた離宮が農夫の家。1803年にカルロス4世が、狩りや保養目的でフランスのヴェルサイユ宮殿を模して作らせた狩猟館です。王宮と豪華さは同じですが、保養に使われていただけあり清閑な雰囲気が漂っています。
王家の小舟博物館
家の人々がタホ川の舟遊びに使っていた小舟を展示した、「王子の庭」の船着場近くにある1963年に建てられた博物館。緑に包まれた博物館は、前面がガラス張りになった少しモダンな建物です。