「アンコールの遺跡群」はカンボジアのプノンペンの北西約240kmにある世界遺産で、9世紀初頭から約600年間カンボジアを支配したアンコール朝の建築物です。
大小700にも及ぶ遺跡は、自然の浸食や戦禍により荒廃し、崩壊の危機にあり、国際支援による保存、修復が急がれています。
アンコール遺跡群の遺跡数としてはカンボジア全土にある遺跡の7割以上相当します。この遺跡群の中では、「アンコール・ワット」と「アンコール・トム」が特に有名です。
「アンコールの遺跡群」主要スポット
アンコール・ワット
ヒンドゥー教寺院であるアンコール・ワットはヒンドゥー教の世界観を具体化した世界最大級の石造寺院です。インド古代の叙事詩や神々の戦いを描いた壮大な彫刻を見ることができます。現在はカンボジア国旗にも描かれている、国を象徴する遺跡となっています。
アンコール・トム
アンコール・トムは城砦都市遺跡。アンコール・ワットがヒンドゥー教だったのに対し、アンコール・トムでは仏教に変わっています。東西南北の四面に観世音菩薩の彫刻が施されています。アンコール・トムの中心には、ヒンドゥー・仏教混交の寺院跡のバイヨンがあります。バイヨンはメール山を象徴化していて、そこは神々が住む聖域であると信じられていました。その世界観を具現化することが王の重要な使命だったのです。